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皴
「皴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
皴の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
黄一峯《こういっぽう》です、癡翁《ちおう》を除いては何人《なんぴと》も、これほど
皴点《しゅんてん》を加えながら、しかも墨を活《い》かすことは――これほど設色《せ....
「富士」より 著者:岡本かの子
だ》を重ねる。岩室がぽっかり袋のように広くなったところもある。洞内の貫きよう、壁
皴《かべひび》の模様、かてて加えて、岩徹る清水は岩の肌を程よく潤して洞は枯石の成....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
窪地に落ちこんでは、軟らかい白毛の動物の背中のように円くなり、長く蜿《く》ねった
皴折《ひだ》の白い衣は、幾十回となく起伏を重ねて、凹面にはデリケートな影をよどま....
「草枕」より 著者:夏目漱石
まで眺めて、継目から次第に水の上に出る。潤沢《じゅんたく》の気合《けあい》から、
皴皺《しゅんしゅ》の模様を逐一《ちくいち》吟味《ぎんみ》してだんだんと登って行く....
「難船小僧」より 著者:夢野久作
と船長が嗄れた声でプッスリと云った。同時に眉の間と頬ペタの頸筋近くに、新しい
皴が二三本ギューと寄った。冷笑しているのだ。 「エヘッ、知ってるんですか。貴方も....
「青年」より 著者:森鴎外
ては」 「難有う」 右の草履が碾磑の飛石を一つ踏んで、左の草履が麻の葉のような
皴のある鞍馬の沓脱に上がる。お雪さんの体がしなやかに一捩り捩られて、長い書生羽織....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
との二色《にしょく》の線を以てしたり。しかしてその描線もまた彼が常用する支那画の
皴法《しゅんぽう》に依らず、能ふ限り柔かく細き線を用ひたれば、或《ある》部分は色....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
杉は初めて立止った。尾行して来た人々も既う散って了った。お杉は柳屋の門に寄って、
皴枯れた声で、 「お葉さん、居るかい。」 思うがままに恋の仇の冬子を呵責んだお....