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盂
「盂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
のである。けっして調和を一松崎水亭にのみゆだぬべきものではない。
自分は、この
盂蘭盆会《うらぼんえ》に水辺の家々にともされた切角灯籠《きりこどうろう》の火が樒....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
い」と、治六も呆れてたびたび催促したので、次郎左衛門もさすがに気が付いたらしく、
盂蘭盆《うらぼん》まえに一旦帰ることになった。 帰って見ると、百日あまりの留守....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ごんごまを、私はひそかに「スズメの蝋燭」と称して、内々|贔屓でいる。 分けて、
盂蘭盆のその月は、墓詣の田舎道、寺つづきの草垣に、線香を片手に、このスズメの蝋燭....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
のおのその好むところに従えばよいのである。(大正14・4「読売新聞」) 薬前薬後
盂蘭盆の迎い火を焚くという七月十三日のゆう方に、わたしは突然に強い差込みに襲われ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
。ただ三足なるのみ。そのあらわるるは、多く夏秋の交にあり。降るところの家は※酒一
盂を以てし、その一方を欠いてこれを祀る。その物その傍らに盤踞して飲み啖わず、しか....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
、これがいい。長坂の更科で。我が一樹も可なり飲ける、二人で四五本傾けた。 時は
盂蘭盆にかかって、下町では草市が立っていよう。もののあわれどころより、雲を掻裂き....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
が、燈籠寺といった方がこの大城下によく通る。 去ぬる……いやいや、いつの年も、
盂蘭盆に墓地へ燈籠を供えて、心ばかり小さな燈を灯すのは、このあたりすべてかわりな....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
しというわけでもなかろうが、尼の住んでいる茅ぶき堂も近来よほどいたんで来たので、
盂蘭盆でも過ぎたらばみんなが幾らかずつ喜捨して、堂の修繕をしてやろうという下相談....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
。」と、清はあるきながら話し出した。「君も知っているだろうが、ここらじゃあ旧暦の
盂蘭盆には海へ出ないことになっている。出るとかならず災難に遭うというのだ。一体ど....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
の燈籠に宿っているのではないかと思うと、女房はいよいよ不気味になった。 今夜は
盂蘭盆の草市で、夜ももう更けている。しかも今まで新ぼとけの前に通夜をして来た帰り....
「怪獣」より 著者:岡本綺堂
昔から魔がさすというのは、あの娘たちのようなのを言うのでしょうよ。」 現にこの
盂蘭盆にも、姉妹そろって踊りの群れにはいって、夜の更けるまで踊っていたばかりか、....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
ん坊の噂はそれからそれへと伝わったので、婿の家でもいよいよ忌気がさして、その年の
盂蘭盆前に断然破談ということになってしまった。 さてその黒ん坊の死骸はどうなっ....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
見なさい。釣った魚を、ポケットへ蔵い込んで大事にボタンを締めたよ」 乗
盂喩 或愚男が海に
盂を落した。男は直ちに落した箇所の水流の具合など描き取って置い....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
ままに、共有地の墓いまなお残りて、松の蔭の処々に数多く、春夏冬は人もこそ訪わね、
盂蘭盆にはさすがに詣で来る縁者もあるを、いやが上に荒れ果てさして、霊地の跡を空し....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
の尼の話した処では、加賀の安宅の方から、きまって、尼さんが二人づれ、毎年のように
盂蘭盆の頃になると行脚をして来て、村里を流しながら唄ったので、ふしといい、唄とい....