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盆
「盆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文学好きの家庭から」より 著者:芥川竜之介
父も母もはなはだ特徴のない平凡な人間です。父には一中節《いっちゅうぶし》、囲碁、
盆栽、俳句などの道楽がありますが、いずれもものになっていそうもありません。母は津....
「影」より 著者:芥川竜之介
の暇には私へ小言《こごと》ばかり申して居るじゃございませんか。」
老女は紅茶の
盆《ぼん》を擡《もた》げながら、子供を慰めるようにこう云った。それを聞くと房子の....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
棚、鏡のついた大理石の煖炉《だんろ》、それからその上に載っている父親の遺愛の松の
盆栽――すべてがある古い新しさを感じさせる、陰気なくらいけばけばしい、もう一つ形....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
ある。けっして調和を一松崎水亭にのみゆだぬべきものではない。
自分は、この盂蘭
盆会《うらぼんえ》に水辺の家々にともされた切角灯籠《きりこどうろう》の火が樒《し....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ょう》はいつもよりは、一層二人とも口が重かった。給仕の美津《みつ》も無言のまま、
盆をさし出すばかりだった。
「今日は慎太郎《しんたろう》が帰って来るかな。」
....
「路上」より 著者:芥川竜之介
この時給仕女の中でも、一番背の低い、一番子供らしいのがウイスキイのコップを西洋
盆《サルヴァ》へ載せて、大事そうに二人の所へ持って来た。それは括《くく》り頤《あ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
とか、題目正名《だいもくせいめい》を唱《とな》う頃になると、屋台の前へ出してある
盆の中に、いつの間にか、銅銭の山が出来る。………
が、こう云う商売をして、口を....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
の頂きへ来た時、嶮《けわ》しい岩むらの上へ登って、住み慣れた部落の横わっている、
盆地の方を眺めて見た。が、彼の眼の下には、ただうす白い霧の海が、それらしい平地を....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
さい》な刺戟からも、絶えず神経を虐《さいな》まれるような姿になった。
第一、莨
盆《たばこぼん》の蒔絵《まきえ》などが、黒地に金《きん》の唐草《からくさ》を這《....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
つになく腰を落着けたのでしょう。色の白い、眉の迫った、痩《や》せぎすな若主人は、
盆提灯《ぼんちょうちん》へ火のはいった縁先のうす明りにかしこまって、かれこれ初夜....
「或る女」より 著者:有島武郎
ずれあとで、ね、……何しろお寒かったでしょう、さ」
といいながら飲み残りの酒を
盆の上に無造作に捨てて、二三度左手をふってしずくを切ってから、コップを古藤にさし....
「或る女」より 著者:有島武郎
いながら倉地は自分を抑制しようとするようにしいて落ち着いて、葉巻を取り上げて煙草
盆《たばこぼん》を引き寄せた。
葉子は心の中で自分の態度が倉地の気をまずくして....
「聖書」より 著者:生田春月
っておいで」 女中さんが大形のウィスキイの瓶と妙な恰好をしたキュラソオの瓶とを
盆に載せて持って来た時、Kさんは安楽椅子にずっと反身になって、上靴をつけた片足を....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
のです。水道の水は生温いというので、掘井戸の水を売ったので、荷の前には、白玉と三
盆白砂糖とを出してある。今の氷屋のような荷です。それはズット昔からある水売りで、....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
等は縁台に腰をおろし、鴨居の上にかけ並べた日本アルプスの写真を見ながら、葛餅を一
盆ずつ食うことにした。 「安いものですね、十銭とは。」 O君は大いに感心してい....