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盆景
「盆景〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盆景の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
どこにも見られなかった。ただただ、雑色と雑形の一種異様な混淆であって、あるいは、
盆景的に矯絶な形をした木の根細工のようでもあり、その――一面に細かい亀裂の入った....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、褐、紫、黄、さま/″\の蘚苔をふわりと纏うて居るのもある。其間をトマムの剰水が
盆景の千松島と云った様な緑苔の塊を※って、流るゝとはなく唯|硝子を張った様に光っ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
来ている。 三井、阪本、大津、膳所《ぜぜ》、瀬田の唐橋《からはし》と石山寺が、
盆景の細工のように鮮かに点綴《てんてい》されている。 針のように、そこに突立っ....
「午後」より 著者:宮本百合子
きいたので今年に別れるのはつらくない。 どっかから、お歳暮に福寿草と、雪割草の
盆景をもって来た。 生れて始めて雪割草を見た。 大変可愛らしい花だ。 弟の....
「昭和二年の二科会と美術院」より 著者:寺田寅彦
と思う。 横山大観の※湘八景はどうも魂が抜けている。塗り盆に白い砂でこしらえる
盆景の感じそのままである。全部がこしらえものである。金粉を振ったのは大きな失敗で....
「健康三題」より 著者:岡本かの子
広い湾入が湖のようになると、目を疑うほどはっきり空の富士が逆に映る。私は「まるで
盆景の中に住んでいるようねえ」と美景を讃嘆した。 娘というのは数え歳は十六だそ....
「夏の町」より 著者:永井荷風
わ》、蚊帳《かや》、青簾《あおすだれ》、風鈴《ふうりん》、葭簀《よしず》、燈籠、
盆景《ぼんけい》のような洒々《しゃしゃ》たる器物や装飾品が何処の国に見られよう。....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
と、もっぱら言われた。そしてその贈り物には、四方の盤上に載せた金銀細工の田舎家の
盆景が送られた。その敷き砂まで砂金や豆銀であったという。 また、月見の夕。青竹....