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盆栽
「盆栽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盆栽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文学好きの家庭から」より 著者:芥川竜之介
父も母もはなはだ特徴のない平凡な人間です。父には一中節《いっちゅうぶし》、囲碁、
盆栽、俳句などの道楽がありますが、いずれもものになっていそうもありません。母は津....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
棚、鏡のついた大理石の煖炉《だんろ》、それからその上に載っている父親の遺愛の松の
盆栽――すべてがある古い新しさを感じさせる、陰気なくらいけばけばしい、もう一つ形....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
ソレ斯う云う中に最う彼処へ遣って来ますよ」と云って無理に秀子を引き立てる様にして
盆栽室の方へ行って了った。余は全体何者を斯う恐れるのかと振り向いて見ると、茲へ這....
「鮨」より 著者:岡本かの子
この店へ来る常連とは分け隔てなく話す。競馬の話、株の話、時局の話、碁、将棋の話、
盆栽の話――大体こういう場所の客の間に交される話題に洩れないものだが、湊は、八分....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
変になったほどだった。しかし、自分の懐かしい家は無くなり、美しい背広も、丹精した
盆栽も、振りなれたラケットもすべて赤い焼灰に変ってしまったことがハッキリ頭に入る....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
につれて、赤沢医師の気持も隠しきれない焦燥に満たされて来た。いつからか凝り始めた
盆栽の手入れをしながら、うっかり植木の新芽を摘みすぎてしまったり、正規の回診時間....
「家」より 著者:島崎藤村
子戸の填った、玄関のところに小泉商店とした看板の掛けてある家の奥で、実は狭い庭の
盆栽に水をくれた。以前の失敗に懲りて、いかなる場合にも着物は木綿で通すという主義....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
わせ、己れ一人は三階の四畳半に独居の不自由を自由とし、尺寸の屋上庭園には十数鉢の
盆栽をならべて間がな隙がなその手いれを怠らず、業余にはこれを唯一の慰藉として為め....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
に真岡の晴衣もつくれまい。境遇にめぐまれてすくすくと若杉のように育ってる子供に、
盆栽のようにまがりくねれと教えられるか。因業おやじさえ、懐をひらいて素直な子だと....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
唯一の方便である、品位ある娯楽を茶の湯に限ると云うのではない、音楽美術勿論よい、
盆栽園芸大によい、歌俳文章大によい、碁でも将棋でもよい、修養を持って始めて味い得....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
歌うお医者もありました。父はお酒はいけないのですから、隣の席の質屋の隠居の頻りに
盆栽の話をして、折々料理に箸をつけては、にこにこしていられます。私もそっと出て来....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
在って、ただ一軒の穢ない小屋にすぎない、家の前には、近所の山から採って来た雑木が
盆栽的に並んでいる。真暗な家の中には、夫婦に小供二、三人住んでいる。この子たちは....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
根拠として嚮導を求めしに、成田嘉助氏という豪の者を得たり。植木を業とせるが、年来
盆栽になるべき珍木を巌壁の間に求めんとて、数日の糧を齎らし、ただ一枚の油紙を雨具....
「しんぱくの話」より 著者:小川未明
木が、やっと元気を快復して、はっきりと見、また聞くようになったのは、ある大きな
盆栽師の庭園でありました。そして、自分は珍しい支那鉢に植えられて、一|段高い、だ....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
頃の神楽坂の縁日の特色の一つで、坂の上から下までずっと両側一面に、各種の草花屋や
盆栽屋が所狭く並び、植込の庭木を売る店などは、いつも外濠の電車通りの両側にまでは....