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盆石
「盆石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盆石の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
で、『紀伊続風土記』九三に、砂鉄|牟婁《むろ》郡(三重県)尾鷲《おわせ》郷に産す
盆石に添えて観美なりと出づ。 動物の分類は何たる定説なく、学者各※その見を異に....
「初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
を蒔く男、釣をする老翁、犬を打つ童、左に流れる刀根川の水、前に聳える筑波山、北に
盆石のごとく見える妙義山、隣に重なッて見える榛名、日光、これらはすべて画中の景色....
「必要以上のもの」より 著者:豊島与志雄
が宛も恋人の名前でも云うように嬉しがったものだ。その私の言葉尻をとらえて、B君は
盆石のことを話しだしたことがあった。尤もそれは父親から引継いだ趣味らしく、自分で....
「非情の愛」より 著者:豊島与志雄
れたのはだめだが、折れさえしなければ生き返る。 それはちと信じ難いことだった。
盆石の苔などは、すっかり乾燥させ、布にくるみ、箱に納め、数年間放置した後、取り出....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
のだ。すると、唯でさえチンマリとしたお筆の身体が、一際小さく見えて、はては奇絶な
盆石か、無細工な木の根人形としか思われなくなってしまうのだった。 然し、その日....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
鬼気が立ち罩めるのだった。近ごろは、ちんまりした祖母がいっそう小さくなり、奇絶な
盆石が、無細工な木の根人形としか思われなくなったのが、白髪を硫黄の海のように波う....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
よい季題だ」「そろそろうぐいすの啼き合わせ会も、根岸あたりで催されましょう」 「
盆石、香会、いや忙しいぞ」「しゃくやくの根分けもせずばならず」「喘息の手当もせず....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
が庭になりまさ。 もみじはここも名物だが、ちと遅い。紅は万両、南天の実。鉢物、
盆石、水盤などが、霞形に壇に並んだ、広い庭。縁には毛氈を敷いて煙草盆などが出して....
「自力更生より自然力更生へ」より 著者:三沢勝衛
川は赤石山脈一帯の古生層地帯から流れ出して来ているのであります。由来、わが国の「
盆石」の名産地としましては、鴨川とか那智川とかいったように、その流域あるいは上流....
「蒼白い月」より 著者:徳田秋声
るところです。有名な家です」桂三郎は縁側の手摺にもたれながら言った。淡路がまるで
盆石のように真面に眺められた。裾の方にある人家の群れも仄かに眺められた。平静な水....