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「益す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

益すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
いると考えます。しかしながらこの人の生涯が私を益し、それから今日日本の多くの人を益するわけは何であるかというと、何でもない、この人は事業の贈物にあらずして生涯の....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の場合に用い、精神的な聯想を起す言葉を他への場合に用いているのは、恐らく愛が他を益する時その作用を完うし得るという既定の観念に制せられているのを現わしているよう....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
うと質屋の庫に禁錮されていようと、久しい間には誰かゞ読む。一人が読めば一人だけを益する。ツマリ数千部のブリタニカやセンチュリーが日本に広がったは夫だけ日本の公衆....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ば利益を得るものに、対印新攻撃路をにぎれるソ連がある。いずれにしろ、これは他国を益するにすぎない。ご免だ。くだらん英雄になってお先棒に使われるよりは、暫く故国へ....
『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
原文の妙を解し得る人々のためにも、一種の新刺戟となって、すこぶる興味あり、かつ稗益する所多い作品である。音楽の喩を設けていわば、あたかも現代の完備した大風琴を以....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
けに、あの人たちは金の価値を知りません。あなたの秘密は金使いの荒い人には、なんの益するところもありません。父の遺産を保管することの出来ないような人間は、たとい悪....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
奥深さは分っているようで、さて心理の上で解説して見ようとしても、徒にその複雑を増益するのみで、かえって切実な言葉が著けられない。ただ一つ言って置きたいのは、ここ....
妖怪学」より 著者:井上円了
も知るべからず。ゆえに、これを講述するは、哲学ならびに心理学研究に志ある者に、裨益するところあるは明らかなり。これ、余が妖怪学の講義を始むるゆえんなり。 しか....
道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
みたい。そしてその解釈が国家社会の為に、また世道人心の上に、幸いにいささかでも裨益するところがあるものならば、差し支えない限り、それを宣伝してみたいと自分は思っ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
どっちかである。あるいは二つとも混って居るかも知れん、鉄道や病院を拵えて、人を利益するというは全く仏教の趣意に適った遣り方であるに拘わらず、人の国を取ってうまい....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ゆえに、人をしておのずから上帝の威徳を怪しみ、これに対して礼拝供養するも、なんの益するところなしとの疑いを抱かしむ。これ、その第二原因なり。第三の原因は、人毎日....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
民の要望するところであります。吉田内閣の退陣が一日早ければ、それだけ国家の利益は益すということになるのであります。吉田総理も、政権に恋々とせず、しりぞくべきとき....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
食ったという事については、別項の「上代肉食考」を参照されたい。牛馬は人を助け世を益するのものであるとの理由を以て、これを屠殺することを禁ぜられた。もはや使役に堪....
特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
等の原稿は、積んで編者の机上にうずたかきをなすに至った。これが為に余輩の研究上裨益するところ甚だ多きを致したのは、余輩の深く感謝するところである。ここにおいて余....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
印象を与えたものはかつてなかった。――彼においては、勝利も敗戦も共にわれわれを裨益する。そして、どちらの場合にも同様に、われわれの心は日常凡庸の汚点を洗い清めら....