»
盒
「盒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
るほど無口になってゆくのに気づいた。 そんな岡田はある朝、前の野営地に自分の飯
盒《はんごう》をおき忘れ、分隊長に両ビンタを食い、その昼、みんなの食事をぼんやり....
「一兵卒」より 著者:田山花袋
釜はとうていこの多数の兵士に夕飯を分配することができぬので、その大部分は白米を飯
盒にもらって、各自に飯を作るべく野に散った。やがて野のところどころに高粱の火が幾....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。 * 従軍記者の携帯品は、ピストルのほかに雨具、雑嚢または背嚢、飯
盒、水筒、望遠鏡で、通信用具は雑嚢か背嚢に入れるだけですから、たくさんに用意して....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
まとなっていた。 彼等の仕事は、すべて請負制度だった。 彼等は、函詰、百八十
盒でトンズル一文半(日本の金で約九厘)を取った。軸列一台(木枠三十枚)トンズル二....
「前哨」より 著者:黒島伝治
らがよんじゃ、いけねえんだよウ。」 だが、しばらくすると浜田は、米が這入った飯
盒から、折り畳んだものを出してきた。 「いくら石塚や山口が×××たって、ちゃんと....
「緑衣人伝」より 著者:田中貢太郎
所で、あなたをお待ちしていて、綉羅の銭篋を差しあげますと、あなたは私に、※瑁の脂
盒をくださいました、二人の間は、そうした許し合った仲になりましたが、奥と表の隔て....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
でに武男が家に向かいしを知らざるなりき。 山木はうなずき、ベルを鳴らして朱肉の
盒を取り寄せ、ひと通り証書に目を通して、ふところより実印取り出でつつ保証人なるわ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ていた。彼のあとから降りて来たのは第一にブロシュ伯爵で、多くの情婦や、古い聖体|
盒《ごう》の蒐集《しゅうしゅう》や、過激王党主義の意見などで、世に知られてる戸外....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
毛帽、揺らめいている提嚢《ていのう》、十字の負い皮、擲弾用《てきだんよう》の弾薬
盒《だんやくごう》、驃騎兵《ひょうきへい》の外套、多くのひだのある赤い長靴、綯総....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
上に、夜灯の青ざめた光の中に、衣服の布の粗い織り糸の中に、監獄の鉄門ごしに弾薬|
盒《ごう》が光ってる警護兵の陰鬱《いんうつ》な顔の上にいたるところに書かれてるそ....
「氷河」より 著者:黒島伝治
いた。負傷者の携帯品は病室から橇へ運ばれた。銃も、背嚢も、実弾の這入っている弾薬
盒も浦潮まで持って行くだけであとは必要がなくなるのだ。とうとう本当にいのちを拾っ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いつか結婚したと言ったっけねえ」 「そうです」と、わたしは時計の鎖についている小
盒のバネをぱくりとあけて、フロラの小さい写真を差し出して見せた。 「畜生!」と、....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
しながら将校の身体を越えてむこうを見やった。兵士は機械掃除の仕事を終え、今度は飯
盒から米がゆを鉢に入れた。もうすっかり元気を回復したように見える受刑者はこれに気....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
ら枝端へと飛来飛去している。能く見ると小さな白い花が咲いているのだ。水を汲みに飯
盒を下げて汀へ下り立つと、向う岸は崖をなして、其下は深くはないが淵になっている。....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
あった。体が少し落付くと腹の空いていることに気が付く。大岩から流れ落ちる雨水を飯
盒に受けて湯を沸かし、焼いた塩鮭の切身にかけて、銘々に夫を啜った。一斤のドロップ....