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「盗み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盗みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
騒いだ覚えがある。が、こうなって見れば、それも、当たりまえの事としか思われない。盗みをする事も、人を殺す事も、慣れれば、家業と同じである。言わば京の大路小路《お....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
《ぬすびと》の代名詞になって、どこでも盛んに持てはやされていた。 「何しろ先生、盗みにはいったお大名屋敷が七十六軒、盗んだ金が三千百八十三両二分だというのだから....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
はあなたの知っている通り、評判の高い盗人《ぬすびと》です。しかし今夜参ったのは、盗みにはいったのではありません。どうかそれだけは安心して下さい。 あなたは日本....
河童」より 著者:芥川竜之介
ば、君はこの人の万年筆を盗んでいったということだがね。」 「ええ、一月ばかり前に盗みました。」 「なんのために?」 「子どもの玩具《おもちゃ》にしようと思ったの....
或る女」より 著者:有島武郎
を見ている葉子の神経にすぐ通じた。葉子はすぐ立ち上がって猫《ねこ》のように足音を盗みながら急いでそっちに行った。ちょうど敷居を上がろうとしていた倉地は暗い中に葉....
星座」より 著者:有島武郎
屋を出て、手さぐりで冷えきった台所に行って、戸棚を開けた。そしてそこにあるものを盗み喰いをしようとした。 その瞬間におせいはどっと悲しくなった。そしてそこに体....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
苦しい後味なのだ。お前は一方に崇高な告白をしながら、基督のいう意味に於て、正しく盗みをなし、姦淫をなし、人殺しをなし、偽りの祈祷をなしていたではないか。お前の行....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
よいよ聞かなけりゃ、おとよさんを盗んじまうまでだ。大きな人間ばかりは騙り取っても盗み取っても罪にならないからなあ」 「や、親父もちょっと片意地の弦がはずれちまえ....
南地心中」より 著者:泉鏡花
寮人様は申すまでもござりません、大道からお拾い下さりました。……また旦那様の目を盗みまして、私は実に、畜生にも劣りました、……」 「何や……怪我に貴方は何やかて....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ぎに鑑札だけは受けているのが、いよいよ獲ものに困ずると、極めて内証に、森の白鷺を盗み撃する。人目を憚るのだから、忍びに忍んで潜入するのだが、いや、どうも、我折れ....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
「謂うことが分るか、姉さん、分るかい、お前さんはね、紛失したというその五百円を盗みも、見もしないが、欲しいと思ったんだろうね。可し、欲しいと思った。それは深切....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
くめて四足を立て、眼を瞋らして呻りたる、口には哀れなる鳩一羽くわえたり。餌にとて盗みしな。鳩はなかば屠られて、羽の色の純白なるが斑に血の痕をぞ印したる。二ツ三ツ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
これだけは言っておこう。イカバッドがこそこそと出てきたときの様子は、鶏小屋へ鶏を盗みに行ってきたようで、とうてい美しい婦人の心をうばいに行ってきたようには見えな....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
あるが――かかることの絶えざる繰りかえしであった。彼は高飛びをするとか、あくまで盗みを隠匿するとかいう智能は持たなかった。近所の、様子のよく分っている家の米俵を....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ものあり。これを買う人は、まずその代価を銭箱の中に投入して一紙を持ち去り、だれも盗み去るものなし。料理屋に入りて食事をなすものあり、意に任じて数品を食し終わりて....