盗み聞き[語句情報] » 盗み聞き

「盗み聞き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盗み聞きの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ア、秋」より 著者:太宰治
機ハ、秋ガ一バンイイノデスヨ。 これもなんだか意味がよくわからぬが、秋の会話を盗み聞きして、そのまま書きとめて置いたものらしい。 また、こんなのも、ある。 ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
すば》りになっている。踏《ふ》むと音がするんです。 忍んで来ることができない。盗み聞きは不可能。 今そのうぐいす張りの細廊下がキューッとふしぎな音をたてて鳴....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の屋敷には、土俵がありますか。」 母は泣き出した。 襖越しに番頭、手代たちが盗み聞きして、互いに顔を見合せて溜息をつき、 「おれならば、お内儀さまのおっしゃ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
私はある日の事、その木小屋を見付けたのじゃ。……おや、誰か戸口にいるな。私の話を盗み聞きしている」 なるほど、そう云った瞬間に山吹が戸口からはいって来た。さす....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ちょっとで私たちの話を、すっかり盗みぎきされるところでした」 「ええっ。それは、盗み聞きの仕掛だというのですか」 「そうです。ここへ来て、よくごらんなさい。花活....
東京要塞」より 著者:海野十三
件は築地の或る公衆浴場の流し場で、仲間同士らしい裸の客がわあわあ喋っているのを、盗み聞きしていた一|浴客が、後にまたそれを他の者へ得々として喋っているところを御....
愚かな一日」より 著者:豊島与志雄
っと眠ったふりをしているのが堪えられなくなった。「どうして自分は妻と瀬川との話を盗み聞きする気になったろう?」とも自ら反問してみた。すると「馬」ということが頭に....
次郎物語」より 著者:下村湖人
は、しかし、まるで聞えなかった。いつもの彼なら、廂から庭木を伝ってでも下におりて盗み聞きするのだが、今日は不思議に手足まで固くなったような気がして、机の前に坐っ....
探偵小説アルセーヌ・ルパン」より 著者:婦人文化研究会
ころが今晩、ソーニャと乳母のビクトアルが、階段の蔭の真暗な所で立話をしているのを盗み聞きますと、乳母が召使を呼ぶに『坊ちゃん坊ちゃん』と言ってるじゃありませんか....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
よく似たどこかの悪《わる》が、お前さんがこんど小鰭の鮨売の所作を出すということを盗み聞き、三津五郎が鮨売の型をとるために、鮨売になってふれ売りして歩く候《そうろ....
審判」より 著者:カフカフランツ
ちとけて私とお話しくださるので、私もつつまずに申しますが、私は扉の後ろでちょっと盗み聞きしましたし、二人の監視人たちも私にいくらか話してくれましたの。なにしろあ....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
のであった。 「冥府へはな、近頃各方面の人間が集まるので、その男らの言うところを盗み聞きしているだけでも賢くなるよ。そいつら、どうせ地獄へ来るような奴だから、皆....
魚紋」より 著者:吉川英治
な背中を見せて、挨拶していた。 『誰か知らぬが、虫のすかねえ奴がいる。人の密談を盗み聞きなどしやがって……油断も隙もなりゃしねえ』 行燈の下においてある煙草入....