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「盗み食い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盗み食いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
次 だがのう。一|盗《とう》二|妾《しょう》三|婢《ひ》四|妻《さい》というて、盗み食いする味は、また別じゃというほどに、人の女房とても捨てたものではない。 長....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ころを見つけられたと、豹一は真赧になってしまったが、多鶴子は、 「まあ!」子供の盗み食いを見つけた母親のような顔になった。たとえ、その時豹一が子供のように見えな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れました。けれども多分最初のうちは社の奥にかくれていて、お供物《くもつ》なんぞを盗み食いしていたのが、だんだん増長していろいろの悪戯を始め出して、そのうちに囲い....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の台所をあらした。おまき婆さんが幾ら十分の食い物を宛がって置いても、彼等はやはり盗み食いを止めなかった。 こうなると、苦情の理由が立派に成り立って、近所からた....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
やや愚鈍らしく)われこそ何するだ! 何するだ! 甚吉 おのれ、おっ母の目を掠めて盗み食いをしやがる。われに、大根を食わせてたまるけ。 甚兵衛 わしやて、大根食い....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
と立ち迷っているのは、禁制を破ってひそかに彼らに恵む者があるのか、あるいは彼らが盗み食いでもするのか、いずれにしても先度の触れ渡しの趣意が徹底しないのは、遺憾で....
先生への通信」より 著者:寺田寅彦
出ました。きょうはたった四つになったといってわざわざ見せてくれました。ある主婦が盗み食いをする下女を懲らすためにお菓子の中へ吐剤を入れておいた話も聞きました。ス....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
とこれは署長がこたえた。 小使さんの猫玉ちゃんが、トラ十へさし入れのすしを盗み食いをして毒死した、という事件が、ここの署員たちをたいへん驚かせ、そして、田....
猫の草紙」より 著者:楠山正雄
べていればいいのだが、これまでのように、夜昼かまわず、人のうちの中をかけまわって盗み食いをしたり、着物を食いやぶったり、さんざん悪いいたずらばかりしておきながら....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は、庭じゅうを捜し回って一日を過ごした。鶫《つぐみ》のように葡萄《ぶどう》の実を盗み食いし、果樹|墻《がき》から桃《もも》をひそかにもぎ取り、梅の木によじ登り、....
次郎物語」より 著者:下村湖人
という自信さえつけは、しゃあしゃあと嘘もつき、思い切っていたずらもやった。尤も、盗み食いだけは、どんなにいい機会に恵まれても、湯殿での父の言葉を覚えていて、断じ....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
して、大根一本やらないけれども、同じ屋根の下にいるから、子供たちは、こっちの物を盗み食いする。野良犬、野良猫と変りはない。それを人間の子供のように待遇するのは、....
犯人」より 著者:坂口安吾
ていた。小学校の六年間も半分は欠席しており、欠席中は家に居らずに野宿して放浪し、盗み食いをしたり、乞食をしているらしかった。家には酒乱で怠け者で貧農の父がいて、....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
「何かうまい物が、腹一杯食って見てえな。二三日して、京伝の家の居候になりゃア、盗み食いをしない限り、腹一杯は食えねえことになってるんだ。――だが、銭はなし。米....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
を楽しむわけだ。「一日の労苦は一日で足る」。悪いこととは知りつつも、この酒と卵の盗み食いほど楽しいものはなかった。そのころ私はよくひまがあれば横浜の波止場へいっ....