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「盗伐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盗伐の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
終《つい》に合祀す。件の悪党、自分にくれた物と思い、その樹林を伐採して売りしを、盗伐と称え告訴し、二人入獄、一人は牢死せり。官公吏が合祀を濫用して姦を勧め、史蹟....
親子」より 著者:有島武郎
「ここには何戸はいっているのか」 「崕地に残してある防風林のまばらになったのは盗伐ではないか」 「鉄道と換え地をしたのはどの辺にあたるのか」 「藤田の小屋はど....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
その奥は山また山だ。木曾山一帯を支配する尾張藩の役人が森林保護の目的で、禁止林の盗伐を監視する白木の番所も、妻籠と馬籠の間に隠れている。 午後の涼しい片影がで....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
立てられて行く不幸な百姓どもを見て暮らした。人民入るべからずの官有林にはいって、盗伐の厳禁を犯すものが続出した。これをその筋の人に言わせたら、規則の何たるをわき....
」より 著者:島崎藤村
という風で、日頃話好な人が好く語れない位であった。巣山、明山の差別、無智な人民の盗伐などは、三吉も聞知っていることであるが、猶森彦は地方を代表して上京したそもそ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
終に枝を踏む軽業、幸に関翁も妻も事なく渡った。水際の雑木林に入ると、「あゝ誰れか盗伐をやったな」と林学士が云う。胡桃が伐ってある。木の名など頻に聞きつゝ、針葉樹....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
なるのであろう、また一筋の路が深林の中を横ぎっている、何でも奈良田の人が、材木を盗伐するために、拓いたので、この道は広河内から一里半の上、池の沢というところから....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
い程雑木林は続いて居たし、人気も鷹揚《おうよう》であったから為朝が持ち去る程度の盗伐は誰もとがめるものはない。或時新来の駐在所巡査がこの男をつかまえて薪の出所を....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
か。」 「なに、ここらは比較的に閑な方です。土地の人気が一体におだやかですから、盗伐などという問題もめったに起こりません。ただ時々に山窩が桐の木を盗むぐらいのこ....
海豹島」より 著者:久生十蘭
無智狂暴な人間であり、他の二名の大工はサガレンや沿海州を流れ歩き、砂金掘りや官林盗伐に従事していた無法粗雑な男どもで、看視員が島を引きあげると、たちまち本性をあ....
魔都」より 著者:久生十蘭
て空拳師になり、血眼の利権屋の上前を刎ねて甘い汁を吸っていたが、昭和五年の官有林盗伐事件に引っかかり、アワヤというところを危うく体を躱して東京へ逃げ戻り、こんな....
」より 著者:佐左木俊郎
置いて、すぐ馬小屋をつくりにかかった。柿の木の下に四角な穴を掘り、近くの山林から盗伐して来た丸太を組み立てて、その周囲には厚い土塀を繞らしたのであった。それには....