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盛り
「盛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
あったのかもしれない。)隔てる、くずれかかった築土《ついじ》があって、その中に、
盛りをすぎた合歓《ねむ》の木が二三本、こけの色の日に焼けた瓦《かわら》の上に、ほ....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
った。叔母はとうとう隣の子に――穴蔵大工の女の子に固い乳房を吸って貰った。乳房は
盛り上った半球の上へ青い静脈をかがっていた。はにかみ易い信輔はたとい吸うことは出....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
を祈ると共に、一まずこの手紙も終ることにしよう。ラッサは今家々の庭に桃の花のまっ
盛りである。きょうは幸い埃風《ほこりかぜ》も吹かない。僕等はこれから監獄《かんご....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
二十一
それから一月ばかりと申すものは、何事もなくすぎましたが、やがて夏も真
盛りのある日の事、加茂川《かもがわ》の水が一段と眩《まばゆ》く日の光を照り返して....
「影」より 著者:芥川竜之介
の暮が近づいて来た。しかし日の光は消えたものの、窓掛けの向うに煙っている、まだ花
盛りの夾竹桃《きょうちくとう》は、この涼しそうな部屋の空気に、快い明るさを漂《た....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
まよって歩いた。物慣れた甚太夫は破れ扇に鳥目《ちょうもく》を貰いながら、根気よく
盛り場を窺《うかが》いまわって、さらに倦《う》む気色《けしき》も示さなかった。が....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
いる。
ある冬の夜《よ》、行長は桂月香に酌《しゃく》をさせながら、彼女の兄と酒
盛りをしていた。彼女の兄もまた色の白い、風采《ふうさい》の立派《りっぱ》な男であ....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
酒《ラオチュ》に赤らんだ顔に人懐《ひとなつ》こい微笑を浮かべたまま、蝦《えび》を
盛り上げた皿越しに突然僕へ声をかけた。
「それは含芳と言う人だよ」
僕は譚の顔....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
たきつぼ》の外へ躍り上って、洞穴の方へ逃げて行ってしまった。
それ以来夜毎の酒
盛りにも、十六人の女たちが、一生懸命に奪い合うのは、素戔嗚ではなくて、黒犬であっ....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
ことにした。が、彼女の心もちは何か落ち着きを失っていた。彼女の前にあった新聞は花
盛りの上野《うえの》の写真を入れていた。彼女はぼんやりこの写真を見ながら、もう一....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
僕は僕の部屋へ帰って来ると、また縁先《えんさき》の手すりにつかまり、松林の上に
盛り上ったY山の頂《いただき》を眺めました。山の頂は岩むらの上に薄い日の光をなす....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
りに租界《そかい》の並み木の下《した》を歩いて行った。並み木の槐《えんじゅ》は花
盛りだった。運河の水明《みずあか》りも美しかった。しかし――今はそんなことに恋々....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
ものは、一人もない位になってしまったのです。杜子春はこの御客たちを相手に、毎日酒
盛りを開きました。その酒
盛りの又|盛なことは、中々口には尽されません。極かいつま....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
慣により、ごく静粛に、親族だけが集って、ハイゲートの墓地に葬った。丁度、夏の暑い
盛りであったので、友人達もロンドン近くにいる者は少なく、ただグラハム教授外一、二....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ばらく述べたいと思う。それは、紅や白に絢爛と着飾った美しい乙女の群ではなく、秋の
盛りの食卓にならんだ純オランダ田園風の大ご馳走であった。さまざまな、ほとんど言い....