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「盛り場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盛り場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
まよって歩いた。物慣れた甚太夫は破れ扇に鳥目《ちょうもく》を貰いながら、根気よく盛り場を窺《うかが》いまわって、さらに倦《う》む気色《けしき》も示さなかった。が....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
ひょんな所で、グッドモーニングの銀ちゃんを利かせたが、もともと銀ちゃんは京極の盛り場では、本名の元橋で知られた相当な与太者であった。しかし、銀ちゃんは今では元....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
いつのまにか豹一の姿が見えなくなっていた。 五 小屋を出るとすっかり夜だった。盛り場の灯がチリチリと冷たく、輝いていた。 豹一は薄暗い電車通に添うて、谷町九....
世相」より 著者:織田作之助
ートを転々と変えたりして来たためか、天涯孤独の身が放浪に馴染み易く、毎夜の大阪の盛り場歩きもふと放浪者じみていたので、自然心斎橋筋や道頓堀界隈へ出掛けても、絢爛....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」と、私は訊いた。 「誰でも構わない、いい鴨が懸かればいいという料簡で、お開帳の盛り場へ網を張っていると、運悪くそこへ来かかったのが鍋久の連中で……。竹蔵は久兵....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
昔ながらの花川戸に、老舗を張っていた。長男の黄一郎は、思う仔細があって、東京一の盛り場と云われる新宿を、すこし郊外に行ったところに店を作っていたのだった。そこに....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
掬い去った。かの女は席を向き直った。運転台や昇降口の空間から、眩しく、丸の内街の盛り場の夜の光が燦き入った。 喫茶店モナミは、階下の普請を仕変えたばかりで、電....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んで、一日をそこに遊び暮すという横着なことを考え出すようになった。きのうは浅草の盛り場へ行ったとか、きょうは本郷の屋敷町をまわったとか、屋敷の方へは好い加減の報....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
んで、腹こなしに、ぞろぞろと歩行出して、つい梅水の長く続いた黒塀に通りかかった。盛り場でも燈を沈め、塀の中は植込で森と暗い。処で、相談を掛けてみたとか、掛けてみ....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
を中心に色々の屋台店が道の真中に軒を並べている。新吉と二人の女とはモンマルトルの盛り場の人混みへ互に肩を打当てゝ笑いさゞめきながら、なだれ込んだ。一軒の屋台では....
」より 著者:織田作之助
のもきかず、外へ出た。谷町九丁目の坂道を降りて千日前へ出た。珍しく霧の深い夜で、盛り場の灯が空に赤く染まっていた。千日前から法善寺|境内にはいると、そこはまるで....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
でいたようである。)広島の野砲隊、三カ月の補充兵役である。 入営の前夜、広島の盛り場で見送りにきた父と二人で活動写真を見た。その写真は井上と水谷の「寒椿」であ....
大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
と味うべき珈琲だった筈だと、信じている。 もっとも、珈琲といえば、今日の大阪の盛り場(というのは、既にして闇市場のことだが)には、銀座と同じように、昔の香とす....
明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
頭も寄附金を募らなければ遣切れないという理窟にもなる。花柳界に近い場所や、下町の盛り場にある湯屋では、浴客にみな相応の見栄があるから、こういう時には案外の寄附金....
」より 著者:織田作之助
ゝ外に出た。生国魂神社の裏を抜け、坂道を降りて千日前に出た。珍しく霧の深い夜で、盛り場の灯が空に赤く染まっていた。千日前から法善寺境内にはいると、そこはまるで地....