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盛上げ
「盛上げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盛上げの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
て行くことにした。私は毎日通い慣れた道を相生町の方へとって、道普請の為に高く土を
盛上げた停車場前まで行くと、そこで日頃懇意にした多勢の町の人達だの、学校の同僚だ....
「名君忠之」より 著者:夢野久作
て、二人の若い女が、白い、ふくよかな両脚を長々と投出しながら、ギヤマンの切子鉢に
盛上げた無花果を舐っていた。二人とも御守殿風の長笄を横すじかいに崩し傾けて、緋緞....
「家」より 著者:島崎藤村
菊は近所の娘達に連れられて、先ず停車場を指して出掛けた。 道普請の為に高く土を
盛上げた停車場前には、日頃懇意にした多勢の町の人達だの、学校の同僚だの、生徒だの....
「播州平野」より 著者:宮本百合子
が手伝いに来てくれて、床下から、土間から一通りかきのけられたべた土が、忽ち背戸に
盛上げられた。床板もはずして川で洗われなければならない。水を吸って化物のように重....
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
内した。 十畳と八畳の結構な二間に、備後表が青々して、一間半の畳床には蝦夷菊を
盛上げた青磁の壺が据えてある。その向うに文晁の滝の大幅。黒ずんだ狩野派の銀屏風の....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
の八ヶ岳である。しかし、より多くの興味は、八ヶ岳の欠損した絶頂を、原形に還元して
盛上げて見ると、恐らく富士山よりも、遥に高い山になりそうなことである。それは米国....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
って之を取るのであるし、下たるものも亦|是《かく》の如くにして自己の地位や所得を
盛上げて行くのである。窃かに心を寄せるのが「内通」であり、利を啗わせて事を発《お....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
よ、化猫《ばけねこ》だよ。ゴロニャーン。」 彼はフーッといって、背中を見る見る
盛上げた。 それは全く奇怪な存在だった。アンポンタンはおしっこが出るほど吃驚《....
「風波」より 著者:井上紅梅
なり、彼を咎め、彼を悔み、彼を怨んだが、急にまた焼け糞になって、一杯の飯を高々と
盛上げ七斤の眼の前に突きつけ、「お前さん、早くおまんまを食べておしまいなさいよ。....
「書記官」より 著者:川上眉山
物を据えて、これも談話の数に入れとや、極彩色の金屏風は、手を尽したる光琳が花鳥の
盛上げ、あっぱれ座敷や高麗縁の青畳に、玉を置くとも羞かしからぬ設けの席より、前は....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
らと目に附きます。川には材木を積んだ筏が流れて来たり、よく沈まないことと思うほど
盛上げた土船も通ります。下手には吾妻橋を通る人が見えます。橋の欄干に立止って見下....
「帝展の美人画」より 著者:上村松園
にみちあふれているケバケバしいものがいやだと思います。どぎつい岩ものをゴテゴテと
盛上げて、それで厚味があるとかいう風に考えられてでもいるような作が、あの広い会場....
「偽刑事」より 著者:川田功
事も出来るのであった。彼は落着いて店の中を歩いた。卓の上には積木細工の様に煙草を
盛上げたり、食料品の缶詰が金字塔型に積重なったりして居た。彼は其辺を一ト渡り見渡....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
もてはやされて来た。 椿岳の画は今の展覧会の絵具の分量を競争するようにゴテゴテ
盛上げた画とは本質的に大に違っておる。大抵は悪紙に描きなぐった泥画であるゆえ、田....