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盛名
「盛名〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盛名の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
るものは必ずこの色を好む。栄誉を冀《こいねが》うものは必ずこの色を撰《えら》む。
盛名を致すものは必ずこの色を飾る。磁石《じしゃく》の鉄を吸うごとく、この色はすべ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、時代の罪である。世には陋劣《ろうれつ》なる小人と、商売根性というものがあって、
盛名あるものの出づるごとに、ことさらにそれを卑《いや》しきものに引当てて貶黜《へ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
氏は、強《し》いて走井の泉を見なければならぬ使命というほどのものを感じていない、
盛名の妓《ぎ》がいつかは知らずしかるべき旦那に身受けをされて、囲われたような気分....
「青春論」より 著者:坂口安吾
。ただ、だらだらと生きのびて『五輪書』を書き、その本のおかげをもって今日も尚その
盛名を伝えているというわけだが、然し、このような
盛名が果して何物であろうか。 ....
「三十歳」より 著者:坂口安吾
も、すべてこれを酒に費したと見て間違いない。 矢田津世子はそのころすでにかなり
盛名をはせていたが、その作品は私を敬服せしめるものではなかったので、私は矢田津世....
「アインシュタインの教育観」より 著者:寺田寅彦
に……」と断ってよこしてくれたのである。 欧米における昨今のアインシュタインの
盛名は非常なもので、彼の名や「相対原理」という言葉などが色々な第二次的な意味の流....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
はない。真言の印をさがすと、これに似たのがあるだろうが、イサム・ノグチ氏は米国に
盛名をはせる人、アメリカの人を相手に真言の奥義を解説しようということは考えられな....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を招き、棋力は進んで五段格を許されていた。諸国の碁天狗どもが参覲交替で上京の折に
盛名をきいて手合いに訪問すると、大そうなモテナシをうけるのはいいが、みんなコロコ....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
、――現代は其処に、恐らくは其処にのみ、彼等の代弁者を見出したのである。彼が忽ち
盛名を負ったのは、当然の事だと云わなければならぬ。 彼は第一高等学校に在学中、....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
は、このすばらしい有名な都会に数箇月滞在することに決めた。クレルヴァルはこのころ
盛名のあった才能ある人たちとの交際を望んだが、それは、私にとっては第二次的な目的....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
という事もあり、主従師弟の厳ましかった時代だから、両者の関係が漸く疎隔して馬琴の
盛名がオサオサ京伝を凌がんとすると京伝側が余り快く思わぬは無理もないが、馬琴が京....
「久野女史をいたむ」より 著者:兼常清佐
もし女史をしてそれを拒ましめるものがあったならば、それはニホンで不健全にかち得た
盛名である。その
盛名から徒らにえがき出された「世界のピアニスト」の幻影である。そ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
ある。――少くとも其処に矛盾した二個の主張があったともいえるのである。 居士の
盛名は日に月に加わって来た。居士の
盛名が強大であるに連れて我らのような有象無象も....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
を例とし、それから後は公々然と音信し往来するを許された。女流の英文学者として一時
盛名を馳せたI夫人は在学中二度も三度も婚約の紹介を繰返したので評判であった。 ....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
ば、料理の好きな人間であったに違いなかろう。味覚上天才を持っておったことも、一大
盛名を馳する第一の要素となっておったと見るべきだ。 しかし、このひと、欧米の料....