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「盛観〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盛観の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
ときには、わが家たずねてわれと一週間ともに起居して、眠るまも与えぬわがそよぐ舌の盛観にしたしく接し、そうして、太宰の能力、それも十分の一くらい、やっと、さぐり当....
藁草履」より 著者:島崎藤村
が》いました。三百頭余の馬匹が列をつくって、こうして通りますのは人目を驚かす程の盛観でした。紫の旗をかざして、凱歌《がいか》を揚げて帰る樺の得意は、どんなでした....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
千層倍あろうか。学理と実際……鉄とセメントの化け物然として、吾が国の建築界空前の盛観を作るかのように見えた。 これを見て憤慨したのは日本の「地震|鯰《なまず》....
新ハムレット」より 著者:太宰治
。」 ハム。「おや、おや、きょうは、どういう風の吹きまわしか、紅唇、火を吐くの盛観を呈している。いつも此の調子でいてくれると、僕も張り合いがあって、うれしいの....
容貌」より 著者:太宰治
い。顔の大きい人は、すべてを素直にあきらめて、「立派」あるいは「荘厳」あるいは「盛観」という事を心掛けるより他に仕様がないようである。浜口雄幸氏は、非常に顔の大....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
新聞に連載された。 以上のごとく、通俗小説は、明治三十年頃を絶頂として未曾有の盛観を極め、更に百花撩乱たるの観あること、今日の大衆文芸の盛んなること以上であっ....
惜別」より 著者:太宰治
村の新体詩などをこっそり覗いてみるというような有様で、東北の仙台でさえそのような盛観であったのだから、花の都の東京に於いてはどのようであったか。私どもの想像を絶....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
れが網羅された。これはおそらくその頃の進歩的な婦人たち全員の勢ぞろいとも云うべき盛観であったろうと思う。 青鞜社概則第一条に「本社は女流文学の発達を計り、各自....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
に必要なものはことごとく揃っており、各種の遊戯場、温泉、料理店、全くお好み次第の盛観で、しかもこの地域には雨も降らず、風も吹かず、煩わしい馬車の通行もないのであ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
て遊んで帰る前橋とか桐生という都市のソバ屋の少いことと軒並みにスシ屋が並んでいる盛観を見れば、海へのノスタルジイよりも、ウドンへの反逆を感ぜざるを得ない。 そ....
雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
かけて、正面に聳える六百山と霞沢山とが曇天の夕空の光に照らされて映し出した色彩の盛観に見惚れていた。山頂近く、紺青と紫とに染められた岩の割目を綴るわずかの紅葉は....
向嶋」より 著者:永井荷風
樹は枕橋より遠く梅若塚のあたりまで間隙《かんげき》なく列植されていたので、花時の盛観は江戸時代よりも遥に優っていたと言わなければならない。江戸時代にあっては堤上....
「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
を歩み、ルナアルはルナアルの道を往けば、それでフランスの近代文学は、百花乱れ咲く盛観を呈するわけだと、ルナアル愛好者は考えている。 ルナアルという作家を、この....
三国志」より 著者:吉川英治
新しい時代が生みだした新進の英雄群が、旺な闘志をもって、轡をそろえているような盛観だ。 「厳与。――ここはひとつ考えるところだな」 彼は、弟をかえりみながら....
四谷、赤坂」より 著者:宮島資夫
ンコ 見附と相対して、新宿駅附近が今日の四谷区の西端となっているが、誰が今日の盛観を、予想した人があるだろうか。 『新宿は』と一口にいったものだ。南の方は御苑....