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「盛返し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盛返しの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
を、鍛冶《かじ》の顔の上へさしかざしますと、見る見る中にその顔が、暖かく血の色を盛返して、やがて苦しそうな呻《うな》り声さえ、例の泡だらけな口の中から、一しきり....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
プの灰をはたき出した。 「そうです。見たのでなければ。」 本間さんはまた勢いを盛返して、わざと冷かに前の疑問をつきつけた。が、老人にとっては、この疑問も、格別....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
菊と黄菊に秋を進んで来た一カ月|余《よ》の後《のち》、余はまたその一カ月余の間に盛返し得るほどの血潮を皮下に盛得《もりえ》て、再び院長の建てたこの胃腸病院に帰っ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ぶりだった。 敵は、最初のうちは、明かに、狼狽の色を見せたが、暫くすると、勢を盛返し、手榴弾を、ポンポンと擲げつけては、機関銃を、一門又一門と、破壊していった....
古き小画」より 著者:宮本百合子
うに波打っている。すると、イラン勢から、一騎、逞い戦士が列を離れ、また新な勇気を盛返して鉾を振ろうとする二人の戦士等の方に進んだ。バーマンはそれを認めると、急い....
牡丹」より 著者:宮本百合子
小走りにこちらに向って来る。石川が止ると、手を挙げてひどくおいでおいでをし、力を盛返して駈け出した。変に縋《すが》りつくようなところがある。双方から近よると、石....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
処が面白いのだか、その長持や挟箱の話に夢中になって了って、其から其と話し続けて、盛返したくも盛返す隙がない。仕方が無いから、今に又|機会《おり》も有ろうと、雪江....
雪の宿り」より 著者:神西清
申上げました。やれ一安心と思ったが最後、気疲れが一ときに出まして、合戦の勢がまた盛返したとの注進も洞ろ心に聞きながし、わたくしは薙刀を杖に北の御階にどうと腰を据....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
が引いて来てその辺まで追込まれたなと思っていたが、また聞えなくなったのを見りゃ、盛返して押し寄せたんだ。当分はまだ俺達にゃ軍運《いくさうん》は向いて来まいぜ。 ....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
金が入ったので、義理の悪い借金は大抵片附いた。白子屋の店も蘇生えったように景気を盛返した。又四郎は律義一方の男で商売にも精を出した。 併しお常の華美や贅沢は矢....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
得して幸手へ行き、若後家の入夫となって先夫の子を守育て、傾き掛った身代を首尾よく盛返した。その家は今でも連綿として栄え、初期の議会に埼玉から多額納税者として貴族....
斬られの仙太」より 著者:三好十郎
引いて来てその辺まで追込まれたなと思っていたが、また聞こえなくなったのを見りゃ、盛返して押し寄せたんだ。当分はまだ俺達にゃ軍運《いくさうん》は向いて来まいぜ。 ....
三国志」より 著者:吉川英治
広宗から敗走してきた官軍の大将は、董卓という将軍だった。 からくも、総敗北を盛返して、ほっと一息つくと、将軍は、幕僚にたずねた。 「いったい、かの山嶮で、不....