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盤
「盤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
かった昔にくらべれば、どこもかしこも、うそのような変わり方である。自分が、まだ台
盤所《だいばんどころ》の婢女《みずし》をしていたころの事を思えば、――いや、思い....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
段と上達致したであろうな。」と、念を押すように仰有《おっしゃ》ると、若殿様は静に
盤面《ばんめん》を御眺めになったまま、
「いや笙はもう一生、吹かない事に致しまし....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
時分に、公園で見初《みそ》めたんだそうだ。こう云うと、君は宮戸座《みやとざ》か常
盤座《ときわざ》の馬の足だと思うだろう。ところがそうじゃない。そもそも、日本人だ....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
寄った。
「一つ下さい。お伴《とも》しましょう。」
桃太郎は咄嗟《とっさ》に算
盤《そろばん》を取った。
「一つはやられぬ。半分やろう。」
犬はしばらく強情《....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
正に過ぎる結果、むしろ険《けん》のあるくらいである。
女はさも珍らしそうに聖水
盤《せいすいばん》や祈祷机を見ながら、怯《お》ず怯《お》ず堂の奥へ歩み寄った。す....
「老年」より 著者:芥川竜之介
かかって、支那水仙であろう、青い芽をつつましくふいた、白交趾《はつコオチン》の水
盤がその下に置いてある。床を前に置炬燵《おきごたつ》にあたっているのが房さんで、....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
あの容貌の醜い若者でさえ、今となっては相手の背《せな》からさっき擡《もた》げた大
盤石《だいばんじゃく》を取りのける事が出来るかどうか、疑わしいのは勿論であった。....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
かしこれは必しも道徳的にわたしの進歩したのではない。唯ちょっと肚《はら》の中に算
盤《そろばん》をとることを覚えたからである。
又
わたしはどんなに愛....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
「しかし実方の朝臣などは、御隠れになった後《のち》でさえ、都恋しさの一念から、台
盤所《だいばんどころ》の雀《すずめ》になったと、云い伝えて居《お》るではありませ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
の針が、十二時十五分を指していたのに気がつきました。その時の私には、大時計の白い
盤が、雪をもった、鉛のような空を後《うしろ》にして、じっと動かずにいるのが、何と....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
なかった。のみならずしまいには彼の前へ軍服の尻《しり》を向けたまま、いつまでも算
盤《そろばん》を弾《はじ》いていた。
「主計官。」
保吉はしばらく待たされた後....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ましたが、さあそれから日の暮までが、待遠しいの、待遠しくないのじゃありません。算
盤《そろばん》を弾く。帳合いを手伝う。中元の進物の差図《さしず》をする。――その....
「久米正雄」より 著者:芥川竜之介
い微苦笑には、本来の素質に鍛錬を加えた、大いなる才人の強気しか見えない。更に又杯
盤狼藉の間に、従容迫らない態度などは何とはなしに心憎いものがある。いつも人生を薔....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
灰石だのという、ロンドンあたりでは見られぬものが地上に顕われて来たので、これが地
盤の下にある岩石を見るのも初めてであり、ことにフランスの海岸に近づくと、熱心に南....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
から提灯屋もあった。……」 伯母「あすこに銭湯もあったでしょう。」 僕「今でも常
盤湯という銭湯はありますよ。」 伯母「常
盤湯といったかしら。」 妻「あたしのいた....