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「盤上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盤上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
めたかと思うと、彼はいきなり立ち上って、二人の間に置かれている碁盤を足蹴にした。盤上に並んでいた黒白の石は跳び散って、その二、三は丹後の顔を打った。 丹後は勝....
」より 著者:鷹野つぎ
る空はそう度々はなかった。殆ど四時の多くは底知れぬ穏顔の空であった。殊に青い空の盤上に白い雲が、いいようもないさまざまの形をあらわして、流れ漂うさまは、払拭され....
人造人間の秘密」より 著者:海野十三
を読みあげる。 「右向け、右!」 フリッツ大尉が叫ぶと、もう一人の技士が、配電盤上のタイプライターのキイのように並んだ釦を、ぽんぽんぽんと叩いた。とたんに、人....
火星兵団」より 著者:海野十三
千二が叫んだ。 「え、どこに。どの窓か」 博士は、テレビジョンをつけた。配電盤上に、雑誌をひろげたくらいの四角な映写幕が、みどり色に光り出し、丸木艇をうつし....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
っていない。赤土の乾きが眼にも止まらぬ無数の小さな球となって放心したような広い地盤上の層をなしている。一隅に夏草の葉が光って逞ましく生えている。その叢を根にして....
露肆」より 著者:泉鏡花
るから、どの店も敷物の色ばかりで、枯野に乾した襁褓の光景、七星の天暗くして、幹枝盤上に霜深し。 まだ突立ったままで、誰も人の立たぬ店の寂しい灯先に、長煙草を、....
球体派」より 著者:豊島与志雄
り平べったかったりするが、上手な音楽家の指先が立てる音は、或る円みを持っている。盤上に玉を転がす……というのは、古くして新らしい譬えだ。ボロ自動車の音は、牛の糞....
三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
ようだが、それもすべて、いくらかの程度に過ぎなかった。ひどく早うちで、悦に入ると盤上に涎を垂らすこともあった。 三木が二度目の夫人を亡くした後、その孤居を慰め....
青春論」より 著者:坂口安吾
を持つことは凡そあらゆる芸界に於いて極めて稀れなことであるが、全く彼は心身あげて盤上にのたくり廻るという毒々しいまでに驚くべき闘志をもった男である。碁打の方には....
自由人」より 著者:豊島与志雄
にはなかった。室内はむし暑かった。風下の窓を開くと、冷かな夜気が流れこんできた。盤上をころがる鉄の丸が、風雨の音に調子を合せて、ゲームに気乗りがした。 コリン....
将棋の鬼」より 著者:坂口安吾
う、今度は升田の指がまだコマから放れぬうちに間髪を入れずコマをうごかす。両々全然盤上から手をひっこめず、ヒラヒラヒラと手と手がもつれて動くうちに、十何手かすゝん....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
殺しを稼業にしたという凄みが具っているから怖しい。ゴリラの体格。この先生がグッと盤上へかがみこむと、将棋盤が灰皿ぐらいに小さくなってしまう。 「御足労、御苦労御....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、それらの声が耳につかないらしい。甚八は尚執念さりがたく、殺気走った目をこらして盤上を睨みつづけている。その隅が死んでは、とうてい足らないようだ。しかし、ほかに....
南国太平記」より 著者:直木三十五
八葉の蓮華を模した黄白の泥で塗った火炉があり、正面を北方として、行者は、南方の礼盤上に坐るのである。 右手には、塗香と、加持物、房花、扇、箸、三種の護摩木を置....
黒板は何処から来たのか」より 著者:小倉金之助
「図の如く、教師、数字と算用数字を呼で石盤に記さしめ、一同記し終りたるとき、教師盤上に記し、これと照準せしめ、正しく出来たる者は各の手を上げしめ、誤りたる者は手....