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「盤台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盤台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いるらしかった。近所の荒物屋できくと、徳蔵はお留という女房と二人ぐらしで、徳蔵が盤台をかついで商売に出た留守は、お留が店の商いをしているのであった。亭主もよく稼....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ぎ》をしてみろ」 半七に指図されて、幸次郎は路ばたの魚屋へ立ち寄った。店さきで盤台を洗っている女房に話しかけて、錺屋の噂を聞き出すと、果たして彼女は口軽にいろ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
でいたおまきが、今では却って近所の人達から羨まれるようになった。七之助は魚商で、盤台をかついで毎日方々の得意先を売りあるいていたが、今年|二十歳になる若いものが....
婦系図」より 著者:泉鏡花
これがその(おう。)の調子で響いたので、お源が気を揉んで、手を振って圧えた処へ、盤台を肩にぬいと立った魚屋は、渾名を(め組)と称える、名代の芝ッ児。 半纏は薄....
河明り」より 著者:岡本かの子
も」と云って、いそいそと土産ものと車を用意して呉れた。 昨日の礼に店先へ交魚の盤台を届けて、よろしくと云うと、居合せた店員が、 「大旦那は咋夕からお臥りで、そ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の途中で鳶に攫って行かれる事はしばしばあった。油揚ばかりでなく、魚屋が人家の前に盤台をおろして魚をこしらえている処へ、鳶が突然にサッと舞いくだって来て、その盤台....
放し鰻」より 著者:岡本綺堂
た躊躇した。かれは無言でそこらにある小桶を指さした。番小屋の店のまえに置いてある盤台風の浅い小桶には、泥鰌かと間違えられそうなめそっこ鰻が二、三十匹かさなり合っ....
深川女房」より 著者:小栗風葉
ったためか、店はもう小魚一匹残らず奇麗に片づいて、浅葱の鯉口を着た若衆はセッセと盤台を洗っていると、小僧は爼板の上の刺身の屑をペロペロ摘みながら、竹箒の短いので....
山椒魚」より 著者:岡本綺堂
しいので、僕はなに心なく覗いてみると、商人は短い筒袖に草鞋ばきという姿で、なにか盤台のようなものを列べていた。魚屋かしらと思ってよく見ると、その盤台の底には少し....
山吹」より 著者:泉鏡花
れを厭うものですか。――日本橋の実家からは毎日のおやつと晩だけの御馳走は、重箱と盤台で、その日その日に、男衆が遠くを自転車で運ぶんです。が、さし身の角が寝たと言....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
がた……そこに一群、鰻、鯰、鰌、穴子などの店のごちゃごちゃした中に、鮒を活かした盤台の前へ立停まって、三傘夫人が、その大きいのを、と指さすと、ばちゃんと刎上るの....
雪の一日」より 著者:岡本綺堂
さすがは市中の雪の晨である。 顔を洗いに降りてゆくと、台所には魚屋が雪だらけの盤台をおろしていて、彼岸に這入ってからこんなに降ることはめずらしいなどと話してい....
銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
、朝詣の美人を乗せたる人力車が斜めに線路を横ぎるも危うく、活きたる小鰺うる魚商が盤台おもげに威勢よく走り来れば、月琴かかえたる法界節の二人|連がきょうの収入を占....
千代紙の春」より 著者:小川未明
こいは、たいてい売りつくしてしまいました。けれど、いちばん大きなこいは売れずに、盤台の中に残っていました。 おじいさんは、大きなのが売れないので、気が気であり....
春泥」より 著者:久保田万太郎
時雇募集の広告だった。――その新聞をもらって腹掛のなかへねじこむとそのまゝ、空の盤台を引ッかつぎの……というのは、その日酷いシケの日でさかなは何にもなかった。―....