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盤木
「盤木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盤木の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のごとくに白々と連なり、しかも、伽藍のあわいあわいにおい茂る春の木、初夏の木、常
盤木《ときわぎ》は、まこと文字どおりの青葉ざかりでした。 このようなところへ何....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
芽まない雑木林は、その枝を空へ帚木のように延ばし、それを左右に打ち振った。また常
盤木の群木立は、去年のままの暗い緑を、さも物憂そうに顫わせた。 今、一陣の※、....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
に陽気な庭や、晴々した遠くの眺望は欠けている。けれども、広い硝子窓越しに、低い常
盤木の植込みを透して何時も変らぬ穏やかな光線が、空から直に流れ入っているのである....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、坂に草を吹靡くより、おのずから静ではあるが、階段に、緑に、堂のあたりに散った常
盤木の落葉の乱れたのが、いま、そよとも動かない。 のみならず。――すぐこの階の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ら少し参りますと、モーそこはすぐ爪先上りになって、右も左も、杉や松や、その他の常
盤木のしんしんと茂った、相当険しい山でございます。あの、現界の景色と同一かと仰ッ....
「書斎を中心にした家」より 著者:宮本百合子
冬は家中を暖める丈の、暖房装置が欲しゅうございます。 道路と庭との境は、低い常
盤木の生垣とし、芝生の、こんもり樹木の繁った小径を、やや奥に引込んだ住居まで歩け....
「蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
内へ入ったとなると、入口に張って置いた網の引き手を引いて口を締めてしまい、そこで
盤木か鐘を鳴らして、村中の漁師に報らせることにしている。 だが、鰡の方が一足先....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
もう。そのころ発兌《はつだ》の娯楽雑誌関係者は故石橋思案、森暁紅諸家のごとく、常
盤木《ときわぎ》倶楽部落語研究会の青竹めぐらした柵の中から生れきた通人粋子に非ず....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
。掩い冠さるように枝を延している紅葉の色の美しさは、比ぶるにものがない。前には常
盤木の繁れる源氏山が聳えている。後の方は今来た道を、遠く富士が頂きを見せている。....