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目に付く
「目に付く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目に付くの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「巡査辞職」より 著者:夢野久作
、唇をワナワナと震わした。しかしその時にフッと気を変えた草川巡査は、 「ウン。人
目に付くと五月蠅《うるさい》からね」 と何気なく云い棄てて露っぽい小径の笹の間....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
お半が云うのを、信次郎が無理に誘って連れ込んだ。しかし二人が一緒にはいっては人の
目に付くというので、ひと足先にお半をはいらせて、信次郎はあとからはいる。かねて打....
「午市」より 著者:宮本百合子
す? 何か一つおとりなすっては。なかなか馬鹿に出来ないものがありますよ」 一寸
目に付く盆栽などがあると、小関はひょいと延び上って、器用に人の肩越しに、台の上を....
「概念と心其もの」より 著者:宮本百合子
、自分達の特性に対して馴れ切って無自覚に成りがちであると一緒に、却って欠点が互に
目に付くと云うような諸点から、今まで自分にとって女性の生活は、事実上、常に一種の....
「イタリア人」より 著者:寺田寅彦
会も絶えた。 こんな事を色々思い出して帰って来ると宅のきたないのが今更のように
目に付く。よごれた畳破れた建具を見まわしていたが、急に思いついて端書を書いた、久....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の家の中で、彼女はどういう運命になって行くであろうか。なる程そう言えば行く度びに
目に付くのは塀や、廊下などの荒れであった。庭の立派な大名松も手入れが届かず枯枝が....
「木曽御嶽の両面」より 著者:吉江喬松
る。――出抜けに引廻した幕を開けて顔を突き出した男がある。見ると八字の髯が第一に
目に付く、頭髪が伸びて、太い眉毛の下には大きな眼が凄く光っている。紺絣の洗洒した....
「逢状」より 著者:吉井勇
で印刷したものや、或いは新奇を衒つて全部英語で書いたものや、祇園らしくないものも
目に付くようになり、教坊の組織や制度の変遷につれて、こういつたものはもう時勢に合....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
魔な木を伐り払ったので、広い眼界を与える。 北から西にかけて燧岳がいつも真先に
目に付く。昨日眺めたよりもずっと大きく、しかも全容を露して、頂きの双尖の間から今....