目に立つ[語句情報] »
目に立つ
「目に立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目に立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
川夫人のほかに想像し得なかった。田川夫人が世に時めく良人《おっと》を持って、人の
目に立つ交際をして、女盛りといい条、もういくらか下り坂であるのに引きかえて、どん....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
かりの眼球の中を、仕切て、我身でお妙を遮るように、主税は真中へ立ったから、余り人
目に立つので、こなたから進んで出て、声を掛けるのは憚って差控えた。 そうしてお....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の半数だけが死滅するのであるが、液体空気の温度では、その生活能力は四ヶ月たっても
目に立つほどは減退しない。このことは実に、極度な低温(諸太陽系間の宇宙空間におい....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
放したが、夜桜、仁和加の時とは違う、分けて近頃のさびれ方。仲の町でもこの大一座は
目に立つ処へ、浅間、端近、戸外へ人立ちは、嬉しがらないのを知って、家の姉御が気を....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、見ちがえるほど美しかった。 ほかにも芸者のはいりに来ているのは多いが、いつも
目に立つのはこの女がこの男と相対してふざけたり、笑ったりしていたことである。はじ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
中に博士の仕掛があるのですよ。閣下の御註文《ごちゅうもん》のとおり鞄にして置くと
目に立つという心配から、仕掛はこの角材の中に秘《ひ》めて邸から持ち出されたんじゃ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
赤い細い線が入っていた。この線は、素人にはちょっと気がつかないが、専門家にはすぐ
目に立つものだった。これは偽造品と区別するためのミヤコ缶詰会社の隠し符号であった....
「火星兵団」より 著者:海野十三
、めいめいその基地を出発したのであった。
その基地といっても、一国に一箇所では
目に立つからというので、方々に分けた。アメリカのごときは全国六十五箇所に基地を作....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
のは当り前だ。が、気の毒だ。連の男は何という乱暴だ。」 「ええ、家ではかえって人
目に立つッて、あの、おほほ、心中の相談をしに来た処だものですから、あはははは。」....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
処で、豆腐も駄菓子も突くるみに売っている、天井に釣した蕃椒の方が、燈よりは真赤に
目に立つてッた、皺びた店で、榾同然の鰊に、山家|片鄙はお極りの石斑魚の煮浸、衣川....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
一種、買っては読めない境遇だったし、新聞社の掲示板の前へ立つにも、土地は狭い、人
目に立つ、死出|三途ともいう処を、一所に※った身体だけに、自分から気が怯けて、避....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
」 「さればさ。」 「厭だ、私は、」と薄気味の悪そうな、悄げた様子で、婦人は人の
目に立つばかり身顫をして黙った。榎の下|寂として声なし、いずれも顔を見合せたので....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
たというもんです。 小児の病気とはいいながら、旅館と来ると湯治らしく、時節柄人
目に立つ。新に別荘を一軒借りるのも億劫だし、部屋|借が出ず入らず、しかるべき空座....
「好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
行っていない髷を結ったりすることは、随分晴れがましいものでもあります。それだけ人
目に立つわけなのですから、ほんとうにいいという自信をもってやるのでないと、それこ....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
いはその頃から案外コソコソ遊んでいたかも知れないが、左に右く表面は頗る真面目で、
目に立つような遊びは一切慎しみ、若い人たちのタワイもない遊びぶりを鼻頭で冷笑って....