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「目に触れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目に触れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
いる欧羅巴《ヨーロッパ》の戦争、独《ひと》り見る巴里の三月の日あたり、それらの耳目に触れるものから起って来る感覚は一層岸本の心を居残る旅らしくした。彼はその窓際....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せぐ為に、闇討ちに逢うようなことが無いとは云えない。もしそうならば、その片腕を人目に触れるような場所へ捨てる筈はあるまい。殊に証拠となるべき唐人服の片袖をそのま....
河明り」より 著者:岡本かの子
の上は藍染川の細い流れとなり、不忍池の下は暗渠にされてしまって、永遠に河身を人の目に触れることは出来なくなった。 「大昔、この川の優勢だったことは、あの本郷|駒....
闘争」より 著者:小酒井不木
計画のうちに入れられてあったと考えねばならない。すると北沢は、その投書が当然僕の目に触れることを予定して居たと考えねばならない。いゝかね、涌井君、いまこうして話....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
に過ぎぬ。実は石投魚である。大温にして小毒あり、というにつけても、普通、私どもの目に触れる事がないけれども、ここに担いだのは五尺に余った、重量、二十貫に満ちた、....
木犀の香」より 著者:薄田泣菫
山谷はそれを聞いて、老師が即答のあざやかさに心から感歎したといふことだ。 ふと目に触れるか、鼻に感じるかした当座の事物を捉へて、難句の解釈に暗示を与へ、行詰つ....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ん。解きます処、棄てます処、流す処がなかったのです。女の肌につけたものが一度は人目に触れるんですもの。抽斗にしまって封をすれば、仏様の情を仇の女の邪念で、蛇、蛭....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
きな帳簿を調べたり、自分のズボンとゲートルとを銀行の全体の重みに加えたりして、人目に触れることを許されるのであった。 テルソン銀行の戸外に――呼び入れられる時....
役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
ります。しかし、そのうち最も大きい原因は、すべていかなるできごとでもそれが役人の目に触れるときにはすでに「法律の世界」のことに化していることにあるのだと思います....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
いうほどのものもなく、往来に向いた竹格子の窓から、いつも外ばかり眺めていました。目に触れる何もかも珍しくて、飽きるということがありません。毎日通る人の顔も、いつ....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
起こったということがあります。その一例を挙ぐれば、ここにいないところの兄弟が突然目に触れると、ちょうどその時分に国元で、その兄弟が死亡したというようなことが、世....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、智北連山悉禿頭、満地富源只硝石、年年輸山幾千舟。 (さらに一本の草も吟詠の人の目に触れることもなく、チリの北の連山はことごとく禿山である。しかし地には富の源が....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
うに、この神々しい お方がまぶしくお思なさらぬ程度で、しかも 此上のない耀きがお目に触れるようにしてくれ。 望楼守 殿様のお言附になったのはやさしい為事....
美食と人生」より 著者:北大路魯山人
万人みな美食家であり得るはずである。 元来、人の日常には相当間違いがあって、人目に触れる衣類の如きは必要以上に装飾し、分際を越え、楽しみと苦しみを混乱させてい....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
た。この界隈はどこを見ても、――僕はもう今昔の変化を云々するのにも退屈した。僕の目に触れるものは半ば出来上った小公園である。或はトタン塀を繞らした工場である。或....