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目を奪う
「目を奪う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目を奪うの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
に云うから、真面目にそうでしょうかと云うよりほかに道はない。 文《あや》は人の
目を奪う。巧は人の目を掠《かす》める。質は人の目を明かにする。そうでしょうかを聞....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
のような拍手が起った。美しい光の円錐の中に、ジュリアを始め三人の舞姫たちが、絢爛
目を奪うような扮装して登場したのであったから。カスタネットがカラカラと鳴りだした....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
ことごとく皆精巧を極めたる同じ模様の金蒔絵であって、色彩|燦爛《さんらん》殆んど
目を奪うばかりであった。多数の観覧人の中に、村落から出て来たと見える青年の一団が....
「日輪」より 著者:横光利一
れた乗物に乗って出陣した。彼女は、長羅を身辺に引き寄せる手段として、胄の上から人
目を奪う紅の染衣を纏っていた。一団の殿には背に投げ槍と食糧とを荷いつけられた数十....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ほど醜いものはないのに、これは醜いというよりはかえって、絢爛《けんらん》にして、
目を奪うという体《てい》たらくです。 友禅というのか、縮緬《ちりめん》というの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
きどころが違うのだ。この女の額面を上げようという意志は、なるべく趣向の変った、人
目を奪うような意味で、旧来の額面を圧倒しようという負けず根性から出ているので、画....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
といい、全体の表現と言い、すばらしいものです。ことにその彩色が――彩色のうち、人
目を奪う紅《あか》と朱《しゅ》の色が大したものです。なにしろ千年以上の作というに....
「鱗粉」より 著者:蘭郁二郎
花畑のような、ペンキ塗りの玩具箱をひっくり返したような、青春の夢のように美しくも
目を奪うものであった。それは恰度ここ数日の間に、東北の僻村から銀座通りへ移された....
「日蔭の街」より 著者:松本泰
私はそれから三十分後に、ボンド街Xギャラリーへ入っていった。妍爛《けんらん》
目を奪うような展覧会の、奥まった三号室へ入ったとき、一番最初に目についたのは「歓....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ぐらし、金ちりばめの金具や屋形の結構さ、二十五万石の太守のお座船だけあって、壮麗
目を奪うばかりである。 「さすがに裕福な阿波の楼船だけあって、将軍家の安宅丸にも....
「三国志」より 著者:吉川英治
。さすがに古い伝統の都だけに、物資は富み、文化は絢爛だった。佳人貴顕たちの往来は
目を奪うばかり美しい。帝城は金壁にかこまれ、瑠璃の瓦を重ね、百官の驢車は、翡翠門....