目を射る[語句情報] » 目を射る

「目を射る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目を射るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ました。しかも、それらをいよいよ明るまってきた月光にさらしながら、しばらく人々の目を射るにまかしていましたが、やがて清らかに波沼兄弟たちへいう声が聞こえました。....
三四郎」より 著者:夏目漱石
四郎は卯《う》の花縅《はなおど》しというのだろうと思った。向こう側のすみにぱっと目を射るものがある。紫の裾模様の小袖《こそで》に金糸《きんし》の刺繍《ぬい》が見....
白妖」より 著者:大阪圭吉
の波だ。 と、向うから自動車が一台やって来た。ヘッド・ライトの眩射が、痛々しく目を射る。――先刻のクーペだろうか? だがその自動車は、似ても似つかぬ箱型だっ....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
その時はもう、銀座通りに赤い火、青い火が一杯ついて、ネオンサインの光がいたずらに目を射る頃で、日は全く暮れてしまつて居た。 秋川邸では家族は全部もううちにもど....
石狩川」より 著者:本庄陸男
言葉を残し、あの風呂敷包みをたかくさしあげた。中流まで漕ぎだすと、西陽が彼女らの目を射るのだ。そこで最後の会釈をしてむこう向きになった。すると彼女らの心は自分ら....
江木欣々女史」より 著者:長谷川時雨
が両の手のどの指にも煌《きら》めいているのだ、袖口がゆれると腕輪の宝石《いし》が目を射る、胸もとからは動くとちらちらと金の鎖がゆれて見える。 彼女の毛は、解い....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、袖に載せた拳銃は、更に、抽取った、血のままなる狼の牙のように見えた。 「銅像の目を射るんだ――ちかさん。」 「あら、」 思わず軽く手を拍くと、衝と寄せた、刻....
雪の武石峠」より 著者:別所梅之助
ういう底ぐもった色でない。白金《はくきん》の線もて編んだあのよろい、あの光、あの目を射る光の中に、私は包まれたいのだ。 かの光、われをさゝん日ほゝゑみて見ざり....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
あるらしい。引きつづいて空襲警報が鳴りだした。空を仰ぐと澄みきった朝空にちかちか目を射る高層雲が光り、どうやら敵機の来そうな気配がする。目に見えぬ音波がうす気味....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
識に、サッと構えるなり、周馬の小手へ一|閃くれた。 シュッと、青い火花が双方の目を射る。 その、無法な胆気と、国光の五の目乱れにおびやかされて、周馬は少し気....