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目を引く
「目を引く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目を引くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命論者」より 著者:国木田独歩
となりました。 僕の口から言うも変ですが、里子は美人というほどでなくとも随分人
目を引く程の容色《きりょう》で、丸顔の愛嬌《あいきょう》のある女です。そして遠慮....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
乗せてしゃがんでいる。雪子もお児もながら、いちばん小さい奈々子のふうがことに親の
目を引くのである。虱《しらみ》がわいたとかで、つむりをくりくりとバリカンで刈って....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
気のつく度に、ヒョイと首を逆にひねる。この場合、右へは、右へ振ったが振りすぎて人
目を引くようになる。そして踊っている裡に、つい習慣が出て首が自然に左へ曲る。気が....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
りの実体そうな男です。そのあとから小芳、つづいて梅甫、兄さんなる男も梅甫も別に人
目を引く筈はないが、この日の小芳はまたいちだんの仇っぽさ。こういうところへ来ると....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
大きな男が、太刀のつかに赤い飾りをつけ、太刀のおには赤いきれをつけて、いかにも人
目を引く姿をしていても、深くおい茂ったたけやぶの後ろにはいれば、隠れて目にも見え....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
川龍之介の自殺(昭和二年)によって開いた。 大正の前半期に文学の同世代として衆
目を引く出発をした芥川龍之介は、他の同輩菊池寛や久米正雄のようにそれぞれの才能の....
「キュリー夫人」より 著者:宮本百合子
深い優しさのこもった灰色の目と、特徴のある表情的な口もとの様子などで、いかにも人
目を引く才気煥発な教養高い十九歳の家庭教師となった時、そのZ家の長男カジミールと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
くてさえ、ひょろ高い道庵と、ちんちくりんの米友が、相伴うて歩く形はかなり道中の人
目を引くのだから、まして、その人気が加わってみると、誰でもただは置こうはずがない....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
うした品物を売り捌く商人の店があるにはありましたが、さきほども申した通り、別に人
目を引くように、品物を店頭に陳列するような事はあまりないようでございました。呉服....
「胚胎」より 著者:宮本百合子
夫婦が出て来る。 目立たない――、それでも内福らしい着物に老婆の小指の指環が一つ
目を引く。 老爺 いかがでござらっしゃります。 先ほど、お薬を煎じしゃった....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
の関係がある。例えば銀座通りの如き道幅の広い所では、間口の狭い店ではとうてい人の
目を引くことは出来ない。下谷仲町、本郷森川町、牛込通寺町の如き道幅の狭い所では間....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
というのは、右の河原者なる浄人の女房が美しく着飾って、一人あるきし、蔵人の五位の
目を引くに至ったのによっても察せられる。すなわちこの浄人は、これ所謂儡すなわちく....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
木壁を塗るに、あるいは白色ペンキ、あるいは赤色ペンキを用い、白赤相映じて大いに人
目を引く。夜十時に至り、西北の天際遠く晴れ、夕日波上に映射し、上下に太陽を見るは....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
来ない。
はてな。なぜ己の目はあそこに食っ附いて離れないだろう。
あの瓶が己の
目を引く磁石なのか。
なぜ己の心持が、夜の森を歩く時月が差して来たように、
忽ち....
「日本橋附近」より 著者:田山花袋
旦那や細君が主なる得意客になっているではないか。従って盛り沢山な、奇麗な単に人の
目を引くだけのものの様な折詰の料理がだらしなくそこに並べられてあったりするではな....