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「目を据える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目を据えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
朱日記」より 著者:泉鏡花
この時間御休憩で?」 「源助、その事だ。」 「はい。」 と獅噛面を後へ引込めて目を据える。 雑所は前のめりに俯向いて、一服吸った後を、口でふっふっと吹落して....
深夜の市長」より 著者:海野十三
現わしながら、傍へ引きつけたバーテンダーを口説いていたが、そのうち急に入口の方に目を据えると、オヤッという風な表情をした。そして直ぐ前に飲んでいる男客を無遠慮に....
朝の風」より 著者:宮本百合子
、と云った。そして、もう一度上唇と下唇とを丁寧になめると、けんどね、と力をこめて目を据えるように、もしあたい一人になったりしちゃって、困らないだろうか。サヨ子さ....
泣虫小僧」より 著者:林芙美子
う子が立って読んだ。 「怒りと失望と後悔とに身も魂もくだけた王は……」 読本へ目を据えると、ちゃんと自分の正面へその活字が並んでいる。そっと目を上げると、先生....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
民さんのね、……まあ、先生方がお聞きなすっては馬鹿々々しいかも知れませんが、……目を据える、生命がけの事がありましてね、その事で、ちょっと、切ッつ、はッつもやり....
星女郎」より 著者:泉鏡花
成行きだったんですな。――」 「いかにも、」 と先達は、膝に両手を重ねながら、目を据えるまで聞入るのである。 「黙っています。が、こう、水の底へ澄切ったという....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
りして、また足音がはじまった。彼は寝床に身を起こした。すっかり目がさめて、じっと目を据えると、窓越しにすぐ前の壁の上に、燈火のついたどこかの窓の赤い火影《ほかげ....
河童小僧」より 著者:岡本綺堂
、背後から手を伸して其の後褄を引あげ、裳をクルリと捲る途端にピカリ、はッと思って目を据えると、驚くべし、小僧の尻の左右に金銀の大きな眼があって、爛々として我を睨....