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目を注ぐ
「目を注ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目を注ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
らかったり、例の変態的な性格でいやがらせたりしながらも、小倉の方に時々探るような
目を注ぐのに気がつかないのだった。 三上は、やはり、船長との一件で小倉の意見が....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
暫くすると今度は秀子が上って来た、余はアノ左の手を何うしたろうと思い、夫とはなく
目を注ぐに、例の異様な手袋はお浦に取られてお浦と共に消えて了ったと見え、別に新し....
「永遠のみどり」より 著者:原民喜
に何かふくらみを与えてくれたものだ。今、鉄筋の残骸を見上げ、その円屋根のあたりに
目を注ぐと、春のやわらかい夕ぐれの陽《ひ》ざしが虚《むな》しく流れている。雀《す....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
貫きたる高き天守の棟に通ずる階子。――侍女等、飛ぶ蝶の行方につれて、ともに其方に
目を注ぐ。 女郎花 あれ、夫人がお帰りでございますよ。 はらはらとその壇の許に、....
「デカルト哲学について」より 著者:西田幾多郎
よ》るかを見る方法である。読者はそれに従って、注意深く、含まれたる凡《すべ》てに
目を注ぐならば、あたかも自分が見出した如く完全に証明せられ、理解せられる方法であ....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
うとした、そんなら私、わざと頂いておきますよ。(と帯に納めて、落したる髷形の包に
目を注ぐ。じっと泣きつつ拾取って砂を払う)も、荷になってなぜか重い。打棄って行き....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
、みるみる積もった わたしは親方がなにか探し物をするように、おりおり左のほうへ
目を注ぐのを見たが、かれはなにも言わなかった。なにをかれは見つけようとするのであ....
「冬の王」より 著者:森鴎外
うな人物は、宇宙の問題に思を潜めている。それでも稀には、あの荊の輪飾の下の扁額に
目を注ぐことがあるだろう。そしてあの世棄人も、遠い、微かな夢のように、人世とか、....
「多神教」より 著者:泉鏡花
(解きつつ)山犬か、野狐か、いや、この包みました皮は、狢らしうござります。 一同
目を注ぐ。お沢はうなだれ伏す。 神職 鏡――うむ、鉄輪――うむ、蝋燭――化粧道具....
「百花園」より 著者:永井荷風
けては、下水のような池の水を眺めて、猶且つ倦まずに半日を送る。 老人が夕刊紙に
目を注ぐのは偶然夕刊紙がその手に触れて、その目の前に展《ひろ》げられたが故であろ....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
を叩《たた》くらしい音がするのを聞きつけ、自分が持番の客ではないかと、音する方へ
目を注ぐ。丁度その途端、階段から上って来る新しい客の洋服姿が向《むこう》の壁の鏡....