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「目を見る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目を見るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
度目のがやっと同じ雑誌で活字になり、三度目のが又、半年ばかり経って、どうにか日の目を見るような運びになった。その三度目が、この中へ入れた「羅生門」である。その発....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
てやろうかという気にさえなった。それほど、自分は、沙金を憎んでいる。が、あの女の目を見ると、自分はやっぱり、誘惑に陥ってしまう。あの女のように、醜い魂と、美しい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
家出などをするのは本人の心得違いである。それが為に、おれ達もどんな巻き添えの憂き目を見るかも知れない。飛んだ弟を持って災難であると、要作は云う。この喧曄がたびた....
獄中記」より 著者:大杉栄
度目の満期になる少し前に放免になったのだが、何でも二十五年目とか六年目とかで日の目を見るのだと言っていた。 「電車なんてものはどんなものだか、いくら話に聞いても....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
い掛稲のずらりと続いたのに蔽われて、半ばで消えるので気がつかなかった。掛稲のきれ目を見ると、遠山の雪の頂が青空にほとばしって、白い兎が月に駈けるようである。下も....
しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
流れはだんだんはげしくなりました。やがて橋がおしまいになると、すずの兵隊は、日の目を見ることができました。でもそれといっしょにごうッという音がきこえました。それ....
虫喰い算大会」より 著者:海野十三
ず第一の手懸りは、乗数の十位の穴は、1であるということだ。なぜなれば、上から四段目を見ると、三桁の数であり、その百位は9に始まっている。しかるに被乗数を見ると、....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
って、昨夜成戸六松が、ひさびさで娑婆の土を踏み、いよいよその金が、四年ぶりで陽の目を見る。 今夜は、温かい、黄金の雨が降るであろう――お悦の二重顎がぶるると顫....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
島のさい実家に送った文書が嵯峨家から発見されて、ようやく惨鼻を極めた流島史が陽の目を見ることになった。 と云うのが、明治廿一年三月のこと――嵯峨家の当主は、そ....
もみの木」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ままはしごだんのほうへひきずっていきました。こうしてもみの木は、もういちど、日の目を見ることができました。 「さあ、また生きかえったぞ。」と、もみの木はおもいま....
取舵」より 著者:泉鏡花
を置くべき所にして、下等室は一個の溽熱き窖廩に過ぎざるなり。 この内に留りて憂目を見るは、三人の婦女と厄介の盲人とのみ。婦女等は船の動くと与に船暈を発して、か....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
答など、聞いておりますと、これでも狂人かしらと思われるほど常人と変わらない人も、目を見るとすぐ解りました。 「母子」 祇園祭りの時でしたでしょうか、....
活人形」より 著者:泉鏡花
越しの流浪にて、乞食の境遇にも、忘れ難きは赤城の娘、姉妹ともさぞ得三に、憂い愁い目を見るならむ。助くる術は無きことか、と頼母しき人々に、一つ談話にするなれど、聞....
白い影」より 著者:小川未明
した。そして、あくる日の町から出る新聞には、運転手が、どうしてこのごろ、こうむだ目を見るのか? 気候の変化で、もしくは、過度の労働でみんな神経衰弱にかかっている....
公園の花と毒蛾」より 著者:小川未明
見ました。しかし、この蛾と同じ感じのするような蛾をば見なかった。この蛾は、人間の目を見るように、くるくるとした二つの目を持っていました。 花は、蛾に対して、な....