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目交ぜ
「目交ぜ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目交ぜの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
十名近くの面々が、いずれも異常な緊張を示してにょきにょきと姿を現しながら、互いに
目交ぜをしつつ、再び退屈男のあとをつけ始めました。 それらの尾行者達をうしろに....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
。 「門七!」 「大三!」 「石川!」 「多々羅!」 顔から顔へ名を呼ぶように
目交ぜが飛ぶと、近侍達は一斉に傍らの脇差をにぎりしめた。――恭順か、会津援兵か、....
「山県有朋の靴」より 著者:佐々木味津三
たような行灯のみえる小料理屋の門の前に止まると、新兵衛は、頤をしゃくるようにして
目交ぜをし乍ら、さっさと中へ這入っていった。 狭い前庭に敷いた石に、しっとりと....
「縫子」より 著者:宮本百合子
、ねえ」 てふは、さも二人だけがあれを知ってるのよと合図するように得意で縫子に
目交ぜをした。 「とても素敵だったわね」 縫子はまた、大きい瞼がちっと脹れぼっ....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
だ。 河の上の西日は大して暑くない。―― 「なに?」 アグーシャが、アンナの
目交ぜにききかえし、訝しそうに自分の膝の下で寝ころがってる信吉の顔を見下した。が....
「新しい一夫一婦」より 著者:宮本百合子
のゆがめられしぼられている小さい恋の花束を眺めて、野暮に憤る代りに、肩をすくめ、
目交ぜし合い、やがて口笛を吹いてゆくような新らしげな受動性。あるいは「女の心」に....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
身悶えをするようにして署長の背後へ追縋って行った。その後から、三人の刑事は、何か
目交ぜをして、薄笑いながら跟いて行った。 表には自動車が待っていた。署長を先に....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ま、そこではなんでございますから、さ、どうぞこっちへ」 「新吉や」と、手代の方へ
目交ぜをして――「お前も早くこッちへ体を隠したがよい。そんな所に坐っていると、ま....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
土産ではあるのだ。……がしかし、うるさいな。おい」 悪四郎は後ろの仲間となにか
目交ぜし出していた。すぐ死の予感をもった能登は近づく者の手に体をちぢめたが、彼に....