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「目元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目元の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
と来ると思いますね」
職人は興奮したような調子で言った。
「どうしてさ」お島は
目元に笑って、「この人はまた妙なことを言出したよ」
「だってそうでしょう」職人は....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
びっく》りしてキョト/\して居りますのを文治が見ると、年齢《としごろ》十六七で、
目元に愛敬のある色の白い別嬪《べっぴん》ですが、髪などは先々月の六日に結《ゆ》っ....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
ばかりで酔いませんのですもの」 男は奥様の御言葉に打たれて、黙って奥様の美しい
目元を熟視《みつめ》ました。奥様は障子に映る男の影法師を暫く眺めていらっしゃるか....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
手の秋山とはまるで違っている。秋山は二十五か六という年輩で、丸く肥えて赤ら顔で、
目元に愛嬌があって、いつもにこにこしているらしい。大津は無名の文学者で、秋山は無....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
やそればかりではなく、退屈男を番頭が案内していったのを見眺めると、ちらりと冷たく
目元に不安げな色を浮べて、何か物に脅えでもしたかのごとくに眉を寄せました。 だ....
「足迹」より 著者:徳田秋声
した。 「糺や、お庄が浅草の家を逃げて来たとえ。」と主婦は大声で言った。 糺は
目元に笑って、黙っていた。 「また詫びを入れて帰って行くにしろ、このまま出てしま....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ゝりました一人のお侍は、年の頃二十一二とも覚しく、色あくまでも白く、眉毛|秀で、
目元きりゝっとして少し癇癪持と見え、鬢の毛をぐうっと吊り上げて結わせ、立派なお羽....
「二少女」より 著者:国木田独歩
。……」と今来た少女は言って、笑を含んでいる。それで相手の顔は見ないで、月を仰だ
目元は其丸顔に適好しく、品の好い愛嬌のある小躯の女である。 「用というのは大概解....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
を触れた。――指を触れた釵は鸚鵡である。 「これが呼んだのかしら。」 と微酔の
目元を花やかに莞爾すると、 「あら、お嬢様。」 「可厭ですよ。」 と仰山に二人....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
」と言った、あの時のこと、その他折によって、種々に変って、此方の眼に映った眉毛、
目元口付、むっちりとした白い掌先、くゝれの出来た手首などが明歴と浮き上って忘れら....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ぐれて逞しうございますが、御顔は色白の、至ってお奇麗な細面、そして少し釣気味のお
目元にも、又きりりと引きしまったお口元にも、殆んど女性らしい優さしみを湛えて居ら....
「河霧」より 著者:国木田独歩
た駆け込んでしまった。豊吉は夢のさめたようにちょっと目をみはって、さびしい微笑を
目元に浮かべた。 すると、一人の十二、三の少年が釣竿を持って、小陰から出て来て....
「郊外」より 著者:国木田独歩
この時、のそり挨拶なしに土間に現われたのが二十四、五の、小づくりな色の浅ぐろい、
目元の優しい男。 『オヤ幸ちゃんが! 今お前さんのうわさをしていたのよ。』実はお....
「鹿狩り」より 著者:国木田独歩
たな!』と叔父さんは鹿を一目見て叫んだ。そして何とも形容のしようのない妙な笑いを
目元に浮かべて僕に抱きついた。そして目のうちには涙を浮かべていた。 ....
「まぼろし」より 著者:国木田独歩
かもよくわかっている。』 しかし文造は梅子の優しい言葉、その微笑、その愛らしい
目元、見かわすごとに愛と幸いとで輝いた
目元を想い起こすと、堪ゆべからざる悲痛が胸....