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「目刺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目刺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二月八日」より 著者:太宰治
ても、外泊さえなさらなかったら、私は平気なんだけど。 主人をお見送りしてから、目刺《めざし》を焼いて簡単な昼食をすませて、それから園子をおんぶして駅へ買い物に....
鰊漁場」より 著者:島木健作
り、また鰊をツブす作業場でもある。それがすむと干場の手入れだ。ここはツブした鰊を目刺しにして乾燥するところだ。 翌日、船頭、下船頭は慣れた漁夫十人ほどと二艘の....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
ちゃ、藪にらみ、さては兎唇出歯の守、そろいそろった醜男が、ひょっとこ面を三百も、目刺しまがいに、並べたところは祭だが祭は祭でも血祭りだ」 と、いい気な気焔をわ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
見やがれ! これでも吐かさねえと云うのなら今度こそ手前の土手っ腹だ。田楽刺し、八目刺し、ないしは菱鉾の刳り刺し、お望み次第突き刺して見せる? どうだ大将、否か応....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いうものは――。見ただけでもほれぼれするじゃござんせんか。お将軍さまが召し上がる目刺しだっても、これほど行儀よく頭をそろえちゃおりませんぜ。べっぴんですよ! べ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
んだりまでこうしてお調戯《からかい》にお下りあそばしまする、鯛《たい》も売れれば目刺《めざし》も売れる、それで世の中は持ったものでございますね、よくしたものでご....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、遠くまで、てんぼうの肩に背負籠して、栄螺や、とこぶし、もろ鯵の開き、うるめ鰯の目刺など持ちましては、飲代にいたしますが、その時はお前様、村のもとの庄屋様、代々....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
て枕許だって、構やしません。大まかに掻捜して、御飯、お香こう、お茶の土瓶まで……目刺を串ごと。旧の盆過ぎで、苧殻がまだ沢山あるのを、へし折って、まあ、戸を開放し....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
肴《さかな》を御馳走しようじゃねえか。この通り、結構な肴を持って来ているんだぜ、目刺《めざし》だよ、目刺を大相場で買い込んで来たんだ。目刺だからと言って、ばかに....
死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
再び驚かされた。その被服廠跡と電車通りとを隔てた溝の中は、幾百幾千とも判らない、目刺鰯の束を焼いたようになった黒焦げの死体で埋まっていた。私は、なるほどこの被服....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
とは心得ておるから。これで魚屋へ寄るのは、落語の権助が川狩の土産に、過って蒲鉾と目刺を買ったより一層の愚じゃ。 特に餌の中でも、御馳走の川蝦は、あの松がしんせ....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
がら障子を開けて戸を細目に開き、水窓までも開けて置いてやったのみならず、また飯と目刺とを縁側へ備えて待ち受けたが、それきり夜明まで猫の啼き声はしなかった、無論、....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
子。兇行に関しては雄太郎君と郵便屋との二人の目撃者があったし、死因が単純明瞭で一目刺殺である事は疑いない事実と判定された為め、女の死体は間もなく却下になった。そ....
夜光虫」より 著者:織田作之助
き出した。 「何がおかしい」 「ようも、これだけ不細工な男を、よりによって闇市の目刺しみたいに並べたと思って、感心してるんだ」 「何ッ……? 生を言うな。散髪屋....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
った。が、男世帯の不自由には、いずれも同情していたのであろう。時々は芋が煮えた、目刺が焼けたと、気はこゝろの少しばかりでも、持って来てくれる世話焼は二人や三人な....