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「目星〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

目星の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
つ、辷る音まではっきりと聞きとれそうに思われました。 その中に私の甥は、兼ねて目星をつけて置いたのでございましょう、加茂川《かもがわ》の細い流れに臨んでいる、....
或る女」より 著者:有島武郎
。物好きなその人たちは早くも新聞の記事を見て問題となっている女が自分に違いないと目星をつけているのではあるまいかと葉子は何事につけても愚痴っぽくひけ目になる自分....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
る若い者はその妙齢な娘の前で手柄を見せようと争った。他人《ひと》の妾《めかけ》に目星をつけて何になると皮肉をいうものもあった。 何しろ競馬は非常な景気だった。....
階段」より 著者:海野十三
は研究所内が最もだれきった空気になる午後三時を見計ってソッと三階へ上った。兼ねて目星をつけて置いた例の本を抜きとると上から三段目の階段へ載せた。何くわぬ顔をして....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
始め警視庁を愚弄することの甚だしきものにして、爾来極力探索の結果、此程漸く犯人の目星を掴むことを得たるを以て、遠からず事件解決の搬びに至るべし。なお本職を指して....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
でくるようだった。 「それでは課長さん。これは新聞には書きませんが、痣蟹の在所は目星がついているのですね」 「もう五分間は過ぎた」と課長はスックと椅子から立ちあ....
地球盗難」より 著者:海野十三
し今はそんなことを顧みている余裕はなかった。 雑草をかきわけかきわけ、お美代は目星をつけて置いた葛の葉の茂っている草叢のところへ近づいていった。 「オヤ、この....
白妖」より 著者:大阪圭吉
へ逃げ込んだって云うんですから、大急ぎでやって来たわけです……が、まア、だいたい目星はつきましたよ」 「もう判ったんですか? 誰です、いったい、犯人は?」 「い....
少年探偵長」より 著者:海野十三
けばほこりがでる人物だ。犯人は永久に分らないよ」 たしかにそのとおりで、犯人の目星がさっぱりつかないので、この事件を担当している、秋吉警部はいらいらしていた。....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
でござります。狭い土地に、数のない芸妓やによって、こうして会なんぞ立込みますと、目星い妓たちは、ちゃっとの間に皆出払います。そうか言うて、東京のお客様に、あんま....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ばさと遁出すわ、二疋ずつの、まるでもって※蟷螂が草の中から飛ぶようじゃ。其奴の、目星い処を選取って、縦横に跡を跟けるわい。ここぞという極めが着いた処で、印を付け....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
見かけました。『これなら娘の婿として恥かしくない……。』両親の方では早くもそれに目星をつけ、それとなく言葉をかけたりしました。娘の方でも、まんざら悪い気持もしな....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
長には、厳しい決断の色が見えて来た。 「いったい、誰が殺ったんでしょう。こちらで目星はつきませんかな?」 請願巡査が呑気なことを云うと、 「目星? そんなもの....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
昼も見えたそうだね。渋谷の美術村は、昼は空虚だが、夜になるとこうやってみんな暖炉物語を始めているようなわけだ。其処へ目星を打って来たとは振っているね。考えてみれば暢気な話さ。怪談の目星を打たれる我....
鳩つかひ」より 著者:大倉燁子
しているのである。 この訴えを聞いてから早くも一カ月余りになるが、未だに犯人の目星さえつかず、あせりにあせっている矢先、またしても今の訴えだ。 「今度は誰です....