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目測
「目測〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目測の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、両岸の石と砂との間に青々と澱《よど》んでいる所であった。彼はしばらくその水面を
目測しているらしかったが、急に二三歩汀を去ると、まるで石投げを離れた石のように、....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
れて涙を飲みこみ飲みこみした。仁右衛門は小屋の真中に突立って隅《すみ》から隅まで
目測でもするように見廻した。二人は黙ったままでつまごをはいた。妻が風呂敷を被《か....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
きた」 「ほほう」私は彼の手廻しのよいのに駭かされた。 「だが遺憾ながら、昨夜|
目測した室の面積に、煉瓦壁の厚さを加えただけの数値しか、出てこなかった。つまり、....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
筋コンクリートの丸い塔が廻転をはじめたのにちがいないのだ。私は塔の廻転した距離を
目測したが、階段の移動は二間半ぐらいで、角度にして約百二十度ぐらいだった。移動に....
「疑問と空想」より 著者:寺田寅彦
cho-sounding)を行なっているのではないかということである。 自分の
目測したところではほととぎすの飛ぶのは低くて地上約百メートルか高くて二百メートル....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
この太い棒が、鋭い刃物で斬られると同じように、切断されたのです。棒の切口の高さを
目測してください。もしも僕が、こうして跼まないで、直立したまま真直こっちへ歩いて....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
うです。彼奴は物差こそ持っていないが、ひと目|睨めば大砲の寸法も分っちまうという
目測の大家に違いありませんよ。あんな奴が、帝都の白昼を悠々歩いているなんざ、全く....
「観点と距離」より 著者:寺田寅彦
が、しかしいくらかこれを支持するような事実が他にも若干ある。 太陽や月の仰角を
目測する場合に大抵高く見過ぎる。その結果として日出後または日没前の一、二時間には....
「巷談師」より 著者:坂口安吾
こともある。弟子入り志望に一|匁分倹約するとは思われないが、長文の手紙となると、
目測が狂うらしい。ところが、共産党の長文の手紙(十五通はもらった)はコンリンザイ....
「新春・日本の空を飛ぶ」より 著者:坂口安吾
高度三千六百ぐらい。青田君は教えてくれる。読売の人、計器を見て戻り、 「青田君の
目測、ピタリですよ」 と、呆れた顔で私にささやく。 三原山の上空をとぶ。火口....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
は立ち泳ぎをしながら、のみこんだ水をはきだすと、頭をめぐらして方角を見さだめた。
目測で岸までは、約百メートルの見当だ。 「案外、近いぞ」 富士男はゆっくりと、....
「瀞」より 著者:佐藤垢石
さとした。道糸は、竿の長さよりも七、八寸長くした。 この浅い瀞の釣り場は、私の
目測によれば深さ三尺前後であろう。そこで、鼻鐶上方四尺の点に、白い鳥の羽根で作っ....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
念ですが、どうしてあの塔をあの高い窓から運び出したのでしょう」 友は窓の高さを
目測したり、戸棚の周囲を丁寧に調べたりした揚句、腕を組んで瞑想を始めた。この時こ....
「妻」より 著者:神西清
、われわれが立てねばならぬ原則の第一箇条は、すなわち迅速ということだ。軍隊式に、
目測、機敏、急襲だ。」 「そう、機敏だ……」とイ※ーヌィチはまるでうとうとしかけ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
り付く。目で練習した岩登りは足でやる段になると、畳の上の水練よりも役に立たない、
目測では二、三尺にしか見えなかった階段の高さも五、六尺はあるようだ。覚束ないとは....