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目白押し
「目白押し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目白押しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
本の蛇の目を頼みにして、削《けず》りかけたままになっている門柱らしい御影の上に、
目白押しに腰を下しました。と、すぐに口を切ったのは新蔵です。「お敏、僕はもうお前....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
素人探偵 麻布一之橋から白金台の方へ這入って行く、細々とした店舗が
目白押しに軒を並べている狭苦しい通りから、少し横丁に這入った三光町の一角に、町相....
「申陽洞記」より 著者:田中貢太郎
ので気を許さなかった。 いつの間に集まってきたのか、三十個ばかりの部下の者が、
目白押しに入口の処へ集まって、李生のくるのを待ち兼ねているようにしていた。李生は....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
奥を指した。 女生徒たちは気味の悪い笑いをやめようともせず、杜先生のうしろから
目白押しになって壇の方についていった。 杜先生は壇前に立ち、この劇においてロー....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
けられるものではあるまい。と、事の真相を測りかねた各社の猛者連が、翌朝折竹の宿へ
目白押しに押しかけてきた。 彼が泊まっている「マルバーン・ハウス」というのは、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たまらない。 「まっぴら、御免なせえまし」 というすご味を利かせたつもりなのが、
目白押しになって、不意に押しかけて来ました。 「ナ、ナンダ?」 と鍋の中へ箸《は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
っちゃんの名を以てしたのは、一時の苦しがりでありましょう。 そうして、同勢が、
目白押しに湯殿の方へ押しかけて、窓や羽目の隙間にたかって、先を争って、この小勇者....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ることができません。一つの成功の次には他の魔障、しからずんば難関がもう待ち兼ねて
目白押しをしている。 駒井は、船の構造と、航海の技術との第一成功と共に自信は得....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
たと思う――その時その蕭索とした踏切りの柵の向うに、私は頬の赤い三人の男の子が、
目白押しに並んで立っているのを見た。彼等は皆、この曇天に押しすくめられたかと思う....
「図書館法楽屋話」より 著者:中井正一
ながら省議を通過したのである。いわば社会教育法の後ろ盾として、つっかえ棒の役割で
目白押し法案の一つとなって行列の一つとなっていたのである。それを知らずに図書館界....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
の者だとしたら、いよいよもって奇怪。なぜかと言って、三人ならびになって隙間もなく
目白押しをして行く中から、この暗闇の中で、必要な人間だけえらんで射ころすなんぞと....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
眼の覚めるような若いお嬢さんが六人ばかり、部屋の隅の天鵞絨《びろうど》の長椅子に
目白押しになって、賑やかな笑い声をあげている。 そこへ、つい今しがた来たばかり....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
整列し、左の榊の前には例の大熊老人の親戚の一団が、今日の光栄に得意然たる面持で、
目白押しに並んでいた。 棺の正面に今日の導師たる××国師はじめ一門がずらりと並....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
叫んだ。その男の足許には風呂敷に包んだ鳥籠があった、その中には鳩や雀がぎっしりと
目白押しに並んでいる。 見物の中から声がした。 「雀! さア、十銭――」 カ....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
には、両側、すしや、すしや、すしや……ただしくいえば天ぷら屋を兼ねたすしやばかり
目白押しに並んでいる。まぐろのいろの狂爛のかげにたぎり立つ油の音の怒濤である。―....