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目的物
「目的物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目的物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
内にかかえ込んだ、高い厳重な白壁回しの屋敷を発見すると、それこそ今まで捜し求めた
目的物だといわぬばかりに、にんめり微笑を漏らしていたようでしたが、不意と船頭に命....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
たが、寝坊だから、奥へ先繰になったのを、あとで飛附いて見ると、あたかもその裏へ、
目的物が出る筈の、三の面が一小間切抜いてあるので、落胆したが、いや、この悪戯、嬢....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に改良されてゆくのである。 人間にとって特別に重要であるために最も周到な観察の
目的物となるものはまず第一に時間の知識であった。そこから多分各種天体の本性に関す....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
がした。僕は掃き溜めをあさる痩せ犬のように、鼻さきが鋭敏になって、あくまで耽溺の
目的物を追っていたのである。 やがて菊子が下りて来て、 「お父さんはお花に夢中....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
みと探してゆくうちに、とうとう彼は一番こんもりと繁った五月躑躅の蔭に、悲しむべき
目的物を探しあてたのだった。それは小径の方に向いてヌッと伸びている靴を履いた一本....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
げ面男は石をけとばすと、そこへしゃがみ、両手を使って土をかきだした。間もなく彼は
目的物をつかんで立ち上った。 「なあんだ、これは……」彼はあてが外れたという顔つ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
った。二人の映画班はいつもおくれがちであったが、これはもちろんとちゅうでしばしば
目的物をつかまえて、十六ミリ天然色映画をとるので、そうなるのであった。 密林の....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
である。 危険信号 「なにごとも、体験じゃ。とはいうものの、この地下戦車を
目的物にあてがってやるまでに、いやに世話がやけるねえ」 「はあ。やっぱり、これは....
「地球要塞」より 著者:海野十三
。 丁度《ちょうど》夜であったので、視界は遠くない。赤外線をこっちから出して、
目的物に当ててみるが、充分でない。しかし艇を、あっちへやったり、こっちへやったり....
「火薬船」より 著者:海野十三
一めんから見れば、たいへんよろしくない。しかし他の一めんから見れば、それほど心が
目的物にむかってもえている証拠であって、若い者なればこその特長である。 気がみ....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
行は先を急いだ。あと十分ばかりして、彼等ははるばるこの月世界まで尋ねて来た最大の
目的物を探しあてることができた。 「あッ、これが白い点に見えたところだ。ごらんな....
「雷」より 著者:海野十三
。彼はおれの書いた落雷の研究報告を悪用して、あの恐るべき殺人法を思いついたのだ。
目的物の近傍に、高い櫓を二基組み、その上に避雷針を建てる。すると近づいた雷雲は、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
こんだのです。とても巨石をうごかすことはできないから、石の横から下へと土を掘って
目的物に達しうると考えました。巨石の下のしめった土の中へ手紙を隠しておくと紙が傷....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
また楽しい時代があるのであるから、にわかにそれを突破して終末に近づき、わが愛情の
目的物との交通または結合を手早く片付けてしまうのを恐れるばかりでなく、僕は主人の....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
利を長吏が壟断し、これが彼らの大きな財産となって、これを高価に売買し、また質権の
目的物としたものであった。 かくの如く、いわゆる下り者の職業も次第に分業になっ....