目端[語句情報] »
目端
「目端〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目端の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
青年に見えた。地方の人が多かった。それに較べられるためか、復一は際だった駿敏で、
目端の利く青年に見えた。専修科目が家畜魚類の金魚なのと、そういう都会人的の感覚の....
「縮図」より 著者:徳田秋声
、少女時代を東京で堅い屋敷奉公に過ごし、その屋敷が時代の英傑後藤新平の家であり、
目端の利くところから、主人に可愛がられ、十八までそこの奥向きの小間使として働き、....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
大次郎は武を好み、佐助は、顔は二た眼と見られない醜面の生まれつきだが、おそろしく
目端《めはし》がきいて、利に速い、これを商才に用いたら、必ず富豪ともなり得よう。....
「渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
貌を持っていた。それのみならず、その当時としては最高の教育を授けられて、鋭く利く
目端しを、おとなしく古風な礼儀作法に包んだ彼女の趣が、先ず佐々未亡人の趣味を満足....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
翹はないと云って好い位であったからである。 玄機は今年二十六歳になっている。眉
目端正な顔が、迫り視るべからざる程の気高い美しさを具えて、新に浴を出た時には、琥....
「斜坑」より 著者:夢野久作
掛っていた勇夫という、若い坑夫の死骸であった。むろん福太郎の配下ではなかったが、
目端の利くシッカリ者だったのに、思いがけなく落盤に打たれてズタズタに粉砕されたと....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
をいうもんですか」 叔母は、それで、ものを言わなくなった。 サト子のほうへは
目端《めはし》もくれず、庭の百日紅《さるすべり》の花をながめながら、大人物の風格....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
年と昼も夜ものアジをやり甘い辛いがだんだん分ればおのずから灰汁もぬけ恋は側次第と
目端が利き、軽い間に締りが附けば男振りも一段あがりて村様村様と楽な座敷をいとしが....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
で来た女郎衆の親方は伏見の人で、どういう了見か侍のくせに、遊女屋の主人となって、
目端や才覚も利くところから、伏見城の徳川家へ手づるを求め、江戸移住の官許を取って....