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目籠
「目籠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目籠の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
近在の爺さん婆さん若い者女子供が、股引草鞋で大風呂敷を持ったり、荷車を挽いたり、
目籠を背負ったりして、早い者は夜半から出かける。新しい莚、筍掘器、天秤棒を買って....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
にていと暗き夜、鬼の遊行するとて戸外へ出でざる事あり。その夜去りがたき用あらば、
目籠を持ちて出るなり、さすれば禍なしと、かの島人の話なりといえるは、やはり新島辺....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
明いたようなものです、御覧なさい……」
北原賢次は、薄目になめした皮で、小さな
目籠のようなものを仕立てたのを、取り上げてお雪の目の前に出し、
「これなら、この....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りではありません、その下に据えた俎板《まないた》も、野菜を切り込む笊《ざる》も、
目籠《めかご》も、自在にかけて何物か煮つつある鍋も、炉中の火をかき廻す火箸も、炉....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ出ました。
愛らしい少女だが、頭に手拭を姐《ねえ》さんかぶりしている、小脇に
目籠《めかご》を抱えている、そうして道庵先生の方がきちんとした旅姿なのに、少女は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
そこへ不意に後ろの林から現われたのは、手拭を姉《あね》さん被《かぶ》りにして、
目籠《めかご》の中へ何か野菜類を入れたのを小脇にして、そうしてニッコリ笑って呼び....
「初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
き過ぎた。次に出遇ッたのが村の娘で、土堤の桑の葉を摘みに来たのか、桑の葉の充満た
目籠をてんでん小脇に抱えていたが、われわれを見るとこそこそ土堤の端の方へ寄ッて、....
「土地」より 著者:豊島与志雄
に、遠く口笛の音がした。音吉は我に返って耳を澄した。口笛の音はすぐ近くに響いた。
目籠をかついで街道をやってくる専次の姿が見えた。 音吉は我知らず、両の拳を握り....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を口実にして銀行家ジャンナンを訪問した。ときとすると、猟の獲物《えもの》をつめた
目籠《めかご》を手みやげにしたり、大きな花束を婦人たちへもってきたりした。その機....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ある。 ある日彼は、おりおりこの村にやって来る顔馴染の肉屋が、近所の農家の前に
目籠をおろして、肉を刻んでいるのを見た。その時は、ちょうど学校の帰りがけで、村の....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ころを見るような眼で、独言のように藤吉は続ける。「一夜《ひとよ》さに、竹の先の笊
目籠が生首に変った。ふうむ、なにかえ桔梗屋さん、他人の意趣返しをされるような心当....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
の方ではその竹籠に八日の餅を入れて上げるようだが、東京近くのはたいてい空っぽで、
目籠の目の数の多いのに驚いて、一つ目が敗北して行くなどという者もある。栃木県の東....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
が、五十年前にわたしなど見ていたのは、ただ農家の桑摘みや落葉掻きに、つかっていた
目籠もおなじであった。つまりは田のすくない新開地の女房たちが、仕事のひまひまに畠....