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目見
「目見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、どちらがどちらのからだとも、わからない。が、二人がたれだという事は、もちろん一
目見て、それと知れた。――
太郎は、草履《ぞうり》を脱ぐ間《ま》ももどかしそう....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
ょう? もしや倅ではございますまいか? そう云えばあの男の姿かたちは、ちらりと一
目見ただけでも、どうやら倅の弥三郎に、似ていたようでもございます。しかしこれはわ....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
飯も御題目を唱《とな》えない内は、箸をとらないと云った調子である。所が、平吉がお
目見得《めみえ》をしてから二月ばかりするとそこのお上《か》みさんがふとした出来心....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
す》に驚いて、急いでこちらを御覧になりましたが、御姉様《おあねえさま》の御顔を一
目見たと思うと、
「御姉様。」
「妹。」と、二人の御姫様は一度に両方から駈けよっ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
社《はくしゅしゃ》の巫女《みこ》などは、摩利信乃法師を祈り殺そうとした応報で、一
目見るのさえ気味の悪い白癩《びゃくらい》になってしまったそうでございます。そこで....
「影」より 著者:芥川竜之介
は、――血走った眼の中には、凄まじい殺意が閃《ひらめ》いていた。が、相手の姿を一
目見るとその殺意は見る見る内に、云いようのない恐怖に変って行った。
「誰だ、お前....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
しい黒ずくめの洋服に、上品な山高帽《やまたかぼう》をかぶっていた。私はこの姿を一
目見ると、すぐにそれが四五日前に、ある会合の席上で紹介された本多子爵《ほんだしし....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
に近いかも知れない。あの日、伯母様の家の一間で、あの人と会った時に、私はたった一
目見たばかりで、あの人の心に映っている私の醜さを知ってしまった。あの人は何事もな....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
は番頭と一しょにやって来ました。今日はさすがに権助《ごんすけ》も、初《はつ》の御
目見えだと思ったせいか、紋附《もんつき》の羽織を着ていますが、見た所はただの百姓....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
れて、あたりにはもう靄《もや》さえ動いていたが、その若者が素戔嗚だと云う事は、一
目見てさえ知れる事であった。彼は今日射止めたらしい山鳥を二三羽肩にかけて、悠々と....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
囲炉裡《いろり》の側に、勇之助が蜜柑《みかん》を剥《む》いている。――その姿を一
目見るが早いか、女は何の取付《とっつ》きもなく、和尚の前へ手をついて、震える声を....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
した。
「これがお望みの秋山図です」
煙客翁《えんかくおう》はその画《え》を一
目見ると、思わず驚嘆《きょうたん》の声を洩らしました。
画は青緑《せいりょく》....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
日本人があります。それがどう思ったのか、二階の窓から顔を出した支那人の女の子を一
目見ると、しばらくは呆気にとられたように、ぼんやり立ちすくんでしまいました。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
れのゆきとどいた陶器など、莫大な宝物が見えていた。 イカバッドがこの楽天地を一
目見た瞬間から、彼の心の平和は消えてしまい、彼の唯一の念願は、どうしたらヴァン・....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
なかった。かれは叔父を尻目にかけながら、にやにや笑って歩いていた。叔父はかれを一
目見たぎり、二度と長い釣竿の先から目をあげずにいたとかいうことである。…… 僕....