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目許
「目許〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目許の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖術」より 著者:泉鏡花
膝をぐったり、と頭を振って、 「失礼ですが、お住所は?」 「は、提灯よ。」 と
目許の微笑。丁と、手にした猪口を落すように置くと、手巾ではっと口を押えて、自分で....
「海異記」より 著者:泉鏡花
なって、お浜ッ子が浜へ出て、まま事するはいつだろうなあ。」 女房は夕露の濡れた
目許の笑顔優しく、 「ああ、そりゃもう今日明日という内に、直きに娘になるけれど、....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
」 「才ちゃんや。」 と段の下の六畳の、長火鉢の前に立ったまま、ぱっちりとした
目許と、可愛らしい口許で、引着けるようにして、 「何だじゃないわ。お気を着けなさ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
と撫肩の優しい上へ、笠の紐|弛く、紅のような唇をつけて、横顔で振向いたが、清しい
目許に笑を浮べて、 「どうして貴方はそんなにまあ唐天竺とやらへでもお出で遊ばすよ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
た。 「いい女ね。見ましたか。」 「まったく。」 「しっとりとした、いい容子ね、
目許に恐ろしく情のある、口許の優しい、少し寂しい。」 三人とも振返ると、町並樹....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
手が書いた金銀ぢらしの錦絵を、炎に翳して見るような、面も赫と、胡粉に注いだ臙脂の
目許に、紅の涙を落すを見れば、またこの恋も棄てられず。恐怖と、恥羞に震う身は、人....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
な! 宗山坊主の背中を揉んでた島田髷の影らしい。惜しや、五十鈴川の星と澄んだその
目許も、鯰の鰭で濁ろう、と可哀に思う。この娘が紫の袱紗に載せて、薄茶を持って来た....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
頃廿六七にも成りましょうか色のくっきりと白い、鼻梁の通りました口元の可愛らしい、
目許に愛のある、ふさ/\と眉毛の濃い好い女で、何れの権妻か奥さんか如何にも品のあ....
「故郷」より 著者:井上紅梅
て、紫色の丸顔はすでに変じてどんよりと黄ばみ、額には溝のような深皺が出来ていた。
目許は彼の父親ソックリで地腫れがしていたが、これはわたしも知っている。海辺地方の....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
合した上へ乗せ合って、その時はこういう風、仏におなりの前だから、優しいばかりか、
目許口付、品があって気高うてと、お縫が謂えば、ちらちらと、白菊の花、香の煙。 ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
八郎の痩せた背中へ、ぞろりと掛けた。帯腰のしなやかさ、着流しはなおなよなよして、
目許がほんのりと睫毛濃く、莟める紅梅の唇が、艶々と、静な鬢の蔭にちらりと咲く。 ....