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目途
「目途〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目途の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ただ一つの資本だった。その金が使い尽くされた後には今のところ、何をどうするという
目途《あて》は露ほどもなかった。葉子はふだんの葉子に似合わずそれが気になり出して....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
ございますからお遣い下さい」 庄「いや/\借《かり》ても今の身の上では返えせる
目途《もくと》がありませんからお借り申すことは出来ません」 文「それではお嬢様....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
金「行かない処ばかり云っては困る」 清左衞門は唯おど/\して何処を探そうと云う
目途《めあて》もなく心配致して居ります。翌朝《よくちょう》に成って、 金「清左....
「富士」より 著者:岡本かの子
の群れのように光っている。翁は地平のかなたの端から、擬した指尖を徐《おもむ》ろに
目途《めじ》の正面へと撫《な》で移して行く。そこに距離の間隔はあれども無きが如く....
「行人」より 著者:夏目漱石
つか》みかかりかねまじき凄《すさま》じい勢いを示した。そうして涙の途切《とぎ》れ
目途切れ目に、彼女の結婚がお貞さんより後《おく》れたので、それでこんなに愚弄《ぐ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
まりないことは周知の事実であります。国民の徹底した自覚により国家は遅くも二十年を
目途とし、主要都市の根本的防空対策を断行すべきことを強く提案致します。官憲の大整....
「食魔」より 著者:岡本かの子
深まりも増したかに感ぜられる。庭の構いの板塀は見えないで、無限に地平に抜けている
目途の闇が感じられる。小さな築山と木枝の茂みや、池と庭草は、電灯の光は受けても薄....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
というたところで、今になって帰りましたところが、親戚もなし、別に何う仕ようという
目途もないものですから願わくば此の繁盛る御府内でまア生涯|朽果れば、甘え物を喰べ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
筆を選んで、「ひとつ著作にとりかかる」とかけ声をしたところを見ると、筆の使用も、
目途も、従来とは違い、翰墨《かんぼく》を楽しむというのではない、実用向きに使用し....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
目次 解説 第一章 幽明の交通とその
目途 第二章 健全な生活 第三章 幽明間の交渉 第四章 各種の霊媒能力 第五章 ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
るということは要らなかった。どうやら一個のパン屋として、苦しいなりにも独立自営の
目途がついたのであった。 私の母校東京専門学校の大学昇格資金に、金壱百円を寄付....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
がごとし。第二、人にはおのおの智恵あり。智恵はもって物の道理を発明し、事を成すの
目途を誤ることなし。譬えば米を作るに肥《こや》しの法を考え、木綿を織るに機《はた....
「民芸とは何か」より 著者:柳宗悦
偉大な茶器を作り得た個人があったでしょうか。否、偉大な天才は、それ等の民器をこそ
目途として、それに達しようと希っていたのです。試みに美しい工藝品の数々を選んでく....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
其の國綱が出れば宜いが、若し出ん時は何う致す」 政「へえ」 小「必らず出るという
目途はあるまい、慥に認めた処はないのだろう」 政「へえ、確かりした認めはございま....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
薬、爆薬、燃料等は満州国で補給し得るようにせねばならない。満州国経済建設はこれを
目途としている事と信ぜられるが、その急速なる成功を祈念する。 糧秣その他作戦軍....