目隠し[語句情報] »
目隠し
「目隠し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
目隠しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
たちのついにわたしたちを超《こ》えられないということである。あらゆる楽天主義的な
目隠しをとってしまえば、鴉《からす》はいつになっても孔雀《くじゃく》になることは....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って、奉書の紙につつんだ目録をくれた。日が暮れてあたりが薄暗くなった頃に、お蝶は
目隠しをさせられた。口には猿轡を食まされた。来た時とおなじような乗物に乗せられた....
「妖術」より 著者:泉鏡花
惑？」 と察したように低声で言ったのが、なお色めいたが、ちっと蛇目傘を傾けた。
目隠しなんど除れたかと、はっきりした心持で、 「迷惑どころじゃ……しかし穏ではあ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
しまった。 「さあ、それでいい。……ではこれから着つけにかかります。そこでこれで
目隠しをしましょう。すっかり済むまで、貴方に見せたくないのよ」 僕はただ溜息を....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
の面を売った士族の人が、いつの頃に誰がしたのか知らないが、猿の面には白布をきせて
目隠しをしてあったと言いました。そのときには別になんとも思いませんでしたが、今に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
狂わない限りは、仮令現象的に解決してもだよ。今日の出来事を機縁として、この事件の
目隠しが実に厚くなるだろうと思われるのだ。あの水煙――それを神秘的に云えば、水精....
「火星兵団」より 著者:海野十三
僕を」
「どうするって、これから東京へいくのじゃないか。東京へ着くまでは、これで
目隠しをしておく。あばれちゃいけないぞ」
丸木の言葉が終るか終らないうちに、千....
「東京要塞」より 著者:海野十三
思うだけのことで、やっていることは普通の工事なんだ。ただ行くときと、帰るときに、
目隠しをされるというだけのことさ。手間賃は一日七円だ。普通の倍だぜ」 「だって、....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
た。が、前刻の雨が降込んで閉めたのか、框の障子は引いてある。……そこに切張の紙に
目隠しされて、あの女が染次か、と思う、胸がドキドキして、また行過ぎる。 トあの....
「死者の書」より 著者:折口信夫
人はすぐ、馳け寄って手綱を控えた。 家持は、門と門との間に、細かい柵をし囲らし、
目隠しに枳殻の叢生を作った家の外構えの一個処に、まだ石城が可なり広く、人丈にあま....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
りし寛闊なる笑声の、はじめは恐しかりしが、果は懐しくなりて、そと後より小さき手に
目隠して戯れたりし、日数もなく、小六は重き枕に就きつ。 湯を呑むにさえ、人の手....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
人の覆面武士に襲撃された。まだ主税は身心衰弱していたので、他愛もなく捕らえられ、
目隠しをされて運ばれた。 その
目隠しを取られたところが、今居るこの部屋であり、....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
なかった。他の巡査たちが二人を探しに行った。と、小門の入口のところで二人の巡査が
目隠しをされ、猿轡を嵌められて、細縄で縛られているのを見つけた。 「残念ながら我....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
一言も口をきかなかった。車が停った時、本庄は始めてそっと後を向いて見た。辰馬久は
目隠しをされ、猿轡をはめられ、両手を縛られていた。シークな彼が、この時位物哀れに....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
主が親切なのと、裏住居の気楽さに、半年ほどを夢のように過ごした。 二階の書斎の
目隠しの向うに、市村羽左衛門の家の庭があった。
目隠しの隙間からのぞくと、市村が夜....