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「盲動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盲動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
自分の仕事に思うさま働いてみたい――奴隷のようなこれまでの境界《きょうがい》に、盲動と屈従とを強《し》いられて来た彼女の心に、そうした欲望の目覚めて来たのは、一....
梓川の上流」より 著者:小島烏水
げ》の白い砂の平地と、この平地にみどりの黒髪を梳《くしけず》る処女の森とで、水は盲動的に蛇行して森と森との間を迂回する、あるいは森を突き切って、向うの平地へ驀地....
古典風」より 著者:太宰治
とのため、たいへんつまらぬ、ひとりの肉親のため、自身を泥に埋めて、こなごなにする盲動が、なぜ私たちに、出来ないのでございましょう。それが出来たら。ゆるがぬ信仰を....
虚構の春」より 著者:太宰治
面白くない? もう少しですから、辛抱たのむ。)便便として過してます。自分の生活を盲動だと思って、然し、人生そのものが盲動さ、と自問自答しています。(秋の夜や、自....
青木の出京」より 著者:菊池寛
理性、それは、彼の過去六年間の苦難の生活のために鍛えられた彼の理性が、彼の感情の盲動的感激をぐっと制止してくれた。彼の理性はいった。「貴様は青木に対する盲動的感....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
はお前の精髄だ。私は肉を離れた一つの概念の幽霊ではない。また霊を離れた一つの肉の盲動でもない。お前の外部と内部との溶け合った一つの全体の中に、お前がお前の存在を....
」より 著者:徳田秋声
なければ……。」 笹村は時々そういう方へ気が嚮いて行った。物欲の盛んな今までの盲動的生活に堪えられないような気もした。虚弱な自分の体質や、消極的な性情が当然そ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
く、堪忍がなり難いと共に、その爆発した癇癖《かんぺき》を、直線的に決行するだけの盲動力を持った男であるということだけは、白雲の眼と頭で、ハッキリと受取ることがで....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
い方なのだ、一層下等な奴になると、彼が金銭のために働いている、利禄に目がくらんで盲動しとる――」 またしても目前、盲動と言い、差合いが眼前にあることに今度は気....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
熱誠、いきり立った憤怒、抑圧されたる戦闘的本能、奮激してる若々しい勇気、勇ましい盲動、好奇心、変化好き、意外好み、新しい芝居の広告を見たがり劇場で舞台裏の柝《き....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
に客観的な考察を払うことが必要で、現在のストに欠けるものはこれであり、主観一方に盲動しているとしか思われない。 ストを武器にすることは、最後の最後のものである....
生前身後の事」より 著者:中里介山
ては喝采《かっさい》する者は絶えず喝采していたが、余輩から見ると、自暴《やけ》の盲動的勇気としか見えなかった、自暴で背水の陣を敷くと人間はなかなか強くもなれるし....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
、雲さんや。ツルちゃんを口説いたね。いけないよ。ねえ。重大なる社用に際して、軽挙盲動は、つつしまなきゃアね。サルトル氏を見習えよ」 「バカ云うんじゃないや。ツル....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
て向背を決するだけの文化を有していない。少数の当事者は私利我慾を恣にしようとして盲動している。あたかも好し、この時に当って、献身者は時代の両極を成す思想を超克し....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
皆強く生きて居るものとは、きめられない。事実、流行化した文芸復興熱にひきずられた盲動に過ぎなかったことは、悲観する外はない。だから、一両年此方、段々ある落ちつき....