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盲従
「盲従〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
盲従の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二老人」より 著者:国木田独歩
である。 ところが武の母は石井翁の細君の妹だけに、この無為主義をあやぶみ、姉は
盲従してこそおれ、女はやっぱり女、石井さんの隠居仕事で二十五円の上に十円ふえるな....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
だ一言《いちごん》、 「はア……」 と答えたきりなんにも言わず、母の言いつけに
盲従する外はなかった。 「僕は学校へ往ってしまえばそれでよいけど、民さんは跡でど....
「奴隷根性論」より 著者:大杉栄
して来た。けれどもなお僕に一言の結論を許して戴きたい。 主人に喜ばれる、主人に
盲従する、主人を崇拝する。これが全社会組織の暴力と恐怖との上に築かれた、原始時代....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
導精神は統制であります。しかし横隊戦術のように強権をもって各兵の自由意志を押えて
盲従させるものとは根本に於て相違し、各部隊、各兵の自主的、積極的、独断的活動を可....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
った。尊敬も親愛も何にも感じていない彼等に、その命令に従うのは、服従ではなくして
盲従だと思った。 そしてこの
盲従ということに気がつくと、他の将校や古参に対する....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
の薄い瞳がちらついて来る。でなければ、主義とか理想とかを丸呑み込みにして、それに
盲従する単純すぎて鈍重な眼を輝かす青年が想像されて来る。かの女はまた、かりにピサ....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
力でどうにもできない者だという考えを与え、また彼の専断的な意志にひどく厭々ながら
盲従するようにさせてきたのであった。しかし、近ごろになって、私はまるで酒びたりに....
「ドレフュー大疑獄とエミール・ゾーラ」より 著者:幸徳秋水
人の為す可らざる事、且つ為すを得ざるの事也。ドレフュー事件の際に於ける仏国軍人の
盲従は、未だ以って彼等の道心欠乏を証するに足らずと。果して然る乎。....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ている。汝等は断じて、一宗一派のドグマに屈従してはならぬ。理性と合一せざる教訓に
盲従するのは、人間の恥辱である。所謂啓示の中には、ある特殊の時と場合にのみ適用さ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
の方法で彼を阿 Quei と書し、更に省略して阿Qとした。これは近頃「新青年」に
盲従したことで我ながら遺憾に思うが、しかし茂才先生でさえ知らないものを、わたしど....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
のととのった共同生活の姿を一刻も早くつくりあげようとしていいかげんに妥協したり、
盲従したり、あるいは人任せにしたりすることは、厳につつしまなければならない。めい....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な
盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
たび金を施してくれるのを大いに喜んで、その人の言い出す事の是非善悪に拘わらずまず
盲従という仕方に至ったです。それでもってツァンニー・ケンボその人は大いにチベット....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
のままにしておけばよいじゃないかね……」 「そうだ、そうだ! 」 「君らはすべて
盲従的だからいかぬ」 そう松島が言うた。すると兎が怒り出した。 「何が、我らが....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
し、当時効力未だ充分でなかった砲兵はこれを歩兵に分属して後方に控置したのである。
盲従的規律を要する傭兵には横隊を捨て難く、しかも指揮機関の不充分はかくの如き形式....