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「盲愛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

盲愛の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十姉妹」より 著者:山本勝治
くともそれは第一義じゃなかった。子煩悩から支持する愛児の面目を、理由は第二として盲愛から立てずにはいられなかったのだ。そうは思っても、慎作は父に対して決して幻滅....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
り、そしてすぺいんに闘牛という「聖なる殺戮」があとを絶たないあいだ、|過ぎし日を盲愛するこの国の人々は、銘々がめいめいの魂の全部をあげて、昔からその闘牛の序曲の....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、兄とか弟とかの立身出世のために自分を身売りまでする姉や妹があります。そんなのは盲愛と言いましょうか、愛の濫用、堕落と言いましょうか、兎も角、決してそんなことで....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
関りあいになるとつまらないから帰ろうといい出した。お通は、この老母が息子の又八を盲愛する余り、ここへ来ても酷いことばをいいちらしたのみで、お吟が可哀そうでならな....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
一つ、 (又八が可愛い) という以外の何ものでもない。その他に原因はないのだ。盲愛から生じた誤解であり、誤解から生じた執念でしかないのである。 淡い幼少の夢....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ない。益は少なくて、まちがえば、天命を縮めてしまう。 それにまた、武蔵は、子を盲愛するの余り人を呪う無知な老母の恐ろしさは、身にも骨にも沁みて、一日一度は必ず....
三国志」より 著者:吉川英治
老女性には、敵国を謀るなどという問題には興味もなかった。それよりは、ひとり息女の盲愛のほうが、遥かに遥かに大きかった。 だから、かりそめにも、その息女を生贄と....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、狂癲の持病を発作したり、キャキャとはしゃぐと、よく涎を垂らしたりしたので、彼を盲愛する生母の覚海尼公も、後見の長崎|円喜らも、たまりかねて、その栄座から、ひっ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
学眼からは、宮方か鎌倉幕府か、いずれに軍配を上げますかと、その日和見主義と子への盲愛に晦んだ親は意中の悩みをおくめんもなくさらけ出して訊ねるのだった。 「……さ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
めしがない。作家とは、人間の子の母以上、生みの子の育ちへ貪欲を持つものだ、そして盲愛にはなれない母である。 西国落ちの平家中で、いちばん可憐な存在は、建礼門院....
大岡越前」より 著者:吉川英治
、護国寺詣りのほうが、はるかに興味があったらしい。虚栄と、迷信と、綱吉にたいする盲愛ほど、彼女をとらえるものはなかった。 なべて、彼女は盲情家だった。 綱吉....