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「直ぐに〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

直ぐにの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仙人」より 著者:芥川竜之介
らくはぼんやり腕組みをしながら、庭の松ばかり眺めていました。が番頭の話を聞くと、直ぐに横から口を出したのは、古狐《ふるぎつね》と云う渾名《あだな》のある、狡猾《....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
お前は私のここにいるのを碌々顧みもせずに、習慣とか軽い誘惑とかに引きずられて、直ぐに友達と、聖書と、教会とに走って行った。私は深い危懼を以てお前の例の先き走り....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
かの原因で屈折するとする。そうしてたとえば真上を見ようと思うときにその視線は真っ直ぐに無限の上方に向かわないで地球のまわりに彎曲するために地球の反対側を見るよう....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
湊屋の奥座敷、これが上段の間とも見える、次に六畳の附いた中古の十畳。障子の背後は直ぐに縁、欄干にずらりと硝子戸の外は、水煙渺として、曇らぬ空に雲かと見る、長洲の....
女客」より 著者:泉鏡花
ッと出して差置くのを、畳をずらして受取って、火鉢の上でちょっと見たが、端書の用は直ぐに済んだ。 机の上に差置いて、 「ほんとに御苦労様でした。」 「はいはい、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
だ。貸本屋だからと言って、股引の尻端折で、読本の包みを背負って、とことこと道を真直ぐに歩行いて来て、曲尺形に門戸を入って、「あ、本屋でござい。」とばかりは限るま....
」より 著者:池谷信三郎
干から下の街を見下していた。大通りに沿って、二条に続いた街灯の連りが、限りなく真直ぐに走って、自動車の頭灯が、魚の動きにつれて光る、夜の海の夜光虫のように交錯し....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
庭の草の上に寝ころんで顔を熱く照らす日に向けて居た。しかしそれも退屈だと見えて、直ぐに飛び上がって手を広げて、赤い唇で春の空気に接吻して「まあ好い心持だ事」とい....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
もしているように、夕日にむかって一直線に歩いて行った。彼は常に太陽にむかって真っ直ぐに歩いてゆくのである。そこで、夜になって荒野で何をするのであろうと、そのあと....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
上に、お遊びにお出掛けなさりましたのでござりますか。」 「何、山田の停車場から、直ぐに、右|内宮道とある方へ入って来たんだ。」 「それでは、当伊勢はお馴れ遊ばし....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
と見えてね、口をむぐむぐとさして合点々々をしたから、また手間を取らないようにと、直ぐにね、銅貨を一つ渡してやると、しばらくして、早附木を一ダース。 そんなには....
醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
親は言いました。 「まあ何て上手に脚を使う事ったら! それにからだもちゃんと真っ直ぐに立ててるしさ。ありゃ間違いなしに私の子さ。よく見りゃ、あれだってまんざら、....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
梯子を駈け上りました。そうして婆さんの部屋の戸を力一ぱい叩き出しました。 戸は直ぐに開きました。が、日本人が中へはいって見ると、そこには印度人の婆さんがたった....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とどくほど高くあがった。彼の尖った肱はばったの足のように突きだし、鞭はその手に真直ぐに立て、笏をもつような恰好だった。馬がからだを揺りながらのそのそ歩いてゆくと....
活人形」より 著者:泉鏡花
「我れも、あの創を目標にして這ッ面を覚えておりますのだ。「むむ、汝はな、これから直ぐに彼奴の後を跟けて何をするか眼を着けろ。「飲込ました。「実に容易ならぬ襤褸が....