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直と
「直と〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
直との前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ていたことであろう。が、孫の太郎は襖を開けるや否や、子供のみが持っている大胆と率
直とをもって、いきなり馬琴の膝《ひざ》の上へ勢いよくとび上がった。
「お祖父様た....
「河童」より 著者:芥川竜之介
※《うそ》です。が、※ということはだれでも知っていますから、畢竟《ひっきょう》正
直と変わらないでしょう、それを一概に※と言うのはあなたがただけの偏見ですよ。我々....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
を垂れているので、その顔の色は読めなかった。 それでも栄之丞は素直であった。素
直というよりもむしろ男らしいというのかも知れないが、もうこの上は、何を言うのも無....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
はまだ足りねえぜ。おれは鍋久の小僧を調べて、こんな事を聞き出した。鍋久の女中のお
直という女は、きのう出しぬけに暇を出されたそうだ。もっとも今月は八月で、半季の出....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことになったのであった。お浜の家では四年ほど前に主人をうしなって、今では後家のお
直と娘との二人暮らしである。そこへ転がり込んだ紋作は年も若い、芸人だけに垢抜けも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことは、前にもしばしば云った。そのすぐ近所に甲州屋という生薬屋があって、そこのお
直という娘がお粂のところへ稽古に通っているのを、半七も知っていた。 「そのなあち....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、風采も立派であり、談話も巧みであり、酒も飲み、鞠も蹴る。それで職務にかけては廉
直というのであるから申し分がない。州の太守も彼を認めて、将来は大いに登庸しようと....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
ろう。いずれその哲学に関係ある方面のことは追って別に述べることにいたして、中村正
直という人のことについて一言しておきたい。この人は敬宇先生として知られているが、....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
く。さしあたり宥め賺して、おのずとその泣き鎮まるのを待つに如くはない。高武蔵守師
直という駄々っ子にしゃぶらせる飴は、塩冶の妻の文よりほかはない。こう考えて、かれ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
意識して四壁の窓を閉めようとあせるのである。大粒な雫は、また実際、斜とも謂わず、
直ともいわず、矢玉のように飛び込むので、かの兀頭の小男は先刻から人知れず愛吉の話....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
天女|廟の門衛となったのである。 雨がドッと降って来た。 しばらくすると、宿
直と、看護婦長は、この室を辞して出た。その時、後を閉めようとして、ここに篤志の夜....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
「忠臣蔵」と「弁天小僧」を出して、小伝次が由良之助と勘平と弁天小僧、吉右衛門が師
直と平右衛門と忠信利平を勤めた頃は、実に子供芝居の人気の絶頂であった。 かくの....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
た時、財布の縞柄から金の員数まで一々細かに尋ねた後に返した。これが縁となって、正
直と才気と綿密を見込まれて一層親しくしたが、或時、国の親類筋に亭主に死なれて困っ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
献そう。この処ちょいとお儀式だ。と独り喜悦の助平|顔、老婆は歯朶を露き出して、「
直と屏風を廻しましょうよ。「それが可い。と得三は頷きけり。虎狼や梟に取囲まれたる....
「草木の暗示から」より 著者:小川未明
ということは、より人間生活を営むに為めになるということに過ぎないからです。 正
直と善良とがあれば、物静かな村の生活でも、虚偽と浮薄が風をなす、物質的文明で飾ら....