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直上
「直上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
直上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
足らぬ時は自分も鷹の餌となるを懼るるんだと言い囃す、青橿鳥これを聞いて無明の業火
直上三千丈、たちまち飛んで古木のシカモール樹に至ると鷹すでに橿鳥の児を喫《く》い....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
二時半までに、東京地方を通過している753粍の低気圧と西南の強風は、バルーンを垂
直上昇線から東北方へ押し出します。穴の明いていたバルーンは、低気圧の通過と相俟っ....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
役者である。 たとえば手の運動につれて、帽子がある位置に来て、その重心が支点の
直上に来るころ、不安定平衡の位置を通るときに、ぐらぐらと動揺したりする、そういう....
「とんびと油揚」より 著者:寺田寅彦
遊するアルミニウム粉によって観察して見ると、底面から熱せられた水は決して一様には
直上しないで、まず底面に沿うて器底の中央に集中され、そこから幅の狭い板状の流線を....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
しい、どこを見ても、しッとりした、濡れたような、温味がない、日は天に冲して、頭の
直上に来ているが、深林のために強烈な光線が、梢に遮られ、反抗されて、土まで落ちて....
「小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
の噴煙の円頂が山をおおう雲帽の上にもくもくと沸き上がって、それが見る見る威勢よく
直上して行った。上昇速度は目測の結果からあとで推算したところでは毎秒五六十メート....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
吸い取り呑んだので、行旅《たびびと》断絶した。『博物志』に、天門山に大巌壁あり、
直上数千|仭《じん》、草木|交《こもご》も連なり雲霧|掩蔽《えんぺい》す。その下....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
血だらけで犬の口に血が附きいた。さてはわが子はこの犬に啖《く》われたと無明の業火
直上三千丈、刀を抜いてやにわに犬を切り捨てた。ところが揺籃の後ろに児の啼き声がす....
「子供・子供・子供のモスクワ」より 著者:宮本百合子
ケートしているものの顔だけぽっつり薔薇色である。発電所の煙突からは黒い太い煙が真
直上った。 日本女は凍ったモスクワ河の景色を眺めてから、元へ戻り、或る一つの建....
「怪塔王」より 著者:海野十三
うつりました。 そのとき塩田大尉の編隊長機と三番機とは、全力をあげ、ほとんど垂
直上昇で、進みくる怪塔ロケットの上に出ました。 そこへ怪塔ロケットは、もうもう....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の真上になり、衝突をしてしまうか、自分が犠牲となるか、二つに一つとなった刹那、垂
直上昇をやって、おちて死にました。(今ならこの位のはなれ業では死なないでしょう)....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
った。いよいよ星が見え出しても口に銜えた煙草を捨てないで望遠鏡を覗いていると煙が
直上して眼を刺戟し、肝心な瞬間に星の通過を読み損なうようなことさえあった。後には....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
え」
と、誦した。そして、少しずつ燃え上ってくる火を見て
「火相、右旋――火焔
直上」
と、叫んで、合掌した。
「火焔の相を象耳に、火焔の色を大青宝色に、火の....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
。上戸は酔うて陶然たり。十九夜の月出ず。火炎高く昇れるが、火炎の中に数十条の赤線
直上し、その末火花となりて、半天に四散し、下界の煙火などには見られざる壮観を呈す....
「正義」より 著者:浜尾四郎
調べたところだが)、ベッドの中にねていたままで、右の手にピストルをもち、右の耳の
直上を射て居る。そこから鮮血が少しくこぼれているだけで、全くその他に変ったところ....